溺れない


































「あーあ、暑いのによく暴れるよ」
「臨也ぁ、てめぇ降りて来いっ」
「やだよ、もう倒しちゃったの?」
プールサイドに人詰まれていて、残りはプールに浮いている
「あ」
プールサイドに倒れていた奴がゆっくりシズちゃんに近づく
「あ゛?」
そして、プールに落とされる
「あはは」
「だぁぁ、くそうぜぇぇ」
プールの水や、浮いてた人も吹き飛ばす。


結局最後まで、立ってられるのはシズちゃんだけなんだよね。
「よっと」
飛び込み台に上る
「どうシズちゃん、少しは涼しいんじゃない?」
「気持ち悪いに決まってんだろうがっ」
「えいっ」
「あ゛」
近くに倒れていた奴をシズちゃんに放る
深さが2m位あるプール、シズちゃんが沈んでいく

今日はこれで終わりかな。
「ふふ、またね・・・・ん?」
「・・待ちやがれ」
「げっ」
どうやって、浮いてきたのか、
足を掴まれそのままプールに・・・









「くそっ死ぬっつーの」
「うるせえ、死ねっ」
足が着かない水の中で、流石に力じゃ敵わない
水の中で蹴ったところでビクともしないし

そうやって暴れていたら
段々何をしていたのか、わからなくなって
「あーもういい、疲れた」
そう言って、シズちゃんは水に浮く
「だったら、手離してよ」
「うるせえな、ちょっと疲れたんだよ」
「だから、離せよ」
「いや、休んでから殴る」
「君さ、ホント無茶苦茶だよね」
「あ゛ー、・・・」
「・・・何?」
日の光が水に反射する
「なんか、お前キラキラしてんな」
「何それ?」
訳の分からないことを言い出すから、笑いがこみ上げてくる
「ん?」
シズちゃんの手が頬に触れる
水がぺたぺたしてて、
指先が唇に触れて、
吸い込まれる
「ん」
ほんの数秒触れて、離れた


びしょびしょの腕をシズちゃんの首にまわす
「ね、シズちゃん、もう一回」
服と水を挟んで触れる


「・・・・」
「どうやら無意識だったらしく、数秒ぼーっとして目を背ける
「ふふ」
「笑うな」
そう言って、またキスをする