Unexpectedly




































「寂しい」
「何?」
「さび、しい」
「どうしたの?シズちゃん?」
「どうも、してねえよ」
「じゃあ、何で泣いてんの」
「っ」
何か言おうと口を開いたら、
言葉がぼろぼろ零れ落ちていった

「ねえ、何があったの?」
「なんも、ねえよ」
「何も無くて泣かないだろ?」
「ほん、とに、なんもない」
「・・本当に?」
「ん」
臨也の指が涙をぬぐうけど、
追いつかない。

本当なんだ
何が悲しいとか
何が辛いとかじゃなくて
急に、寂しくて
寂しくて仕方が無くなった
唐突に
ほんとうに急に
スイッチが入ったみたいに
「大丈夫?」
「な、わけねえだろっ」
「うん」
「意味わかんねえよ」
「うん、大丈夫だよ」


ずっと触れてて

ずっと息をして

ずっと抱きしめて

ずっと

ずっと

「なんで」
「何?」
「なんで、こんななってんだよ」
「うん」
「こんなぐちゃぐちゃに」
「うん」

怪我したのは俺で、
倒れた俺を見て泣くのは、お前のはずで
なんで俺が




「俺は、どうしたらいい?」
「シズちゃんは、俺を好きでいてくれたらいい」
「・・・」

「シズちゃんは、俺の事好きでいてくれたらいい」
「ん」

「生きててくれたらいい」
「うん」

「ちゃんと、生きててよ」
「ああ」

「びっくりさせんな」
「悪かった」

だから、ほら
泣くのはお前の筈だったんだ