息を止めたら

































もう、ムリだ
そう告げたのは、お前だったのか?
それとも、俺だったのか?

「寂しい」
「ああ」
寂しい
繰り返し何度も
何でこんなに
「寂しい」
「ああ」

どうしたら良かった?
なんて言えば良かった?


「シズちゃん、ごめん」
「ああ」

その言葉を何年待った?
どれだけ傷つけた?

「ごめん」
「臨也、好きだ」

その言葉に何年かかった?
どれだけ傷つけられた?

泣きじゃくる臨也につられて
ぼたぼた涙が零れた
もう何年も
もしかしたら、流れないんじゃないかって
なのに、こんな簡単に

必死に
しがみ付くみたいに
抱きしめて
抱きしめられて
もう、いい大人が
ガキみたいに泣きじゃくって
嗚咽まじりの声で
ごめんを繰り返す臨也と
好きだと繰り返す俺と
傍から見たら滑稽で仕方ないかもしれないけど
それでも、何度も繰り返した

きっと、ずっと、このまま、
息さえ止めれば
幸せになれるんだ

このまま、二人で息を止めてしまえば、
きっと愛し合えるんだ


そんな気がしないか?


「臨也」
「・・・」




このまま



息をとめたら



「なあ」
「なに?」

どこまでいけると思う?










息を・・・