あめアメ































「っ痛ぁ、もー・・」
臨也の身体を思い切り壁にぶつける
「だから、シズちゃんさー・・・・」
うんざりした顔から一変して、
にたぁなんて効果音がつきそうな面に変わった
「あ゛?」

こいつ、また下らねえこと考えたやがんな


臨也が俺の斜め後ろを指差す
「シズちゃん、あっち見てアレ」
「ざけんな」

「・・あれ?」
「・・・」

「あー」
「・・・」


「ん・・?」
「・・・・・・・だぁああ、うぜぇ」


臨也の視線の先を追う
ほんの一瞬気を逸らしたそこに、
何もないことを確認してすぐ、
逃げ出そうとする臨也を捕まえようと、
視線を戻した瞬間
「は?」
そこには、いつにもましてにやついた面の臨也がいた


その顔がスローモーションで近づいてくるのに、
払うか、掴んでぶん投げるか、
そんなことを考えていたら、
勢いよくそれはぶつかってきた

こいつ

唇があたってすぐ、舌が入ってくる

「っ」
「ん・・・ふ、」


「てっめ・・・?」
「あっはは、ひっかかった」
「なんだこれ・・・」
「もも飴」
「・・・」
口の中で転がす



「それで見逃してよ、じゃ」
「ねえよ」
「あー、もー」
フードを掴んで、こちらに向ける
「わ・・」

むちゅ、なんてあからさまな音がした

「・・返す」
「なんで?」
「・・・・甘ぇ」
「ふーん」
「・・・・・・」
「シズちゃん照れてる?」
「よし、ぶっ殺す」

思い切り拳をぶつける
だが、勿論それはそいつに当たることはなく
壁におもしろいようにヒビがはいるだけ

「あはは、じゃ、またね」
「二度とくんな・・」


ニヤついて手を振る臨也につられて、
上がった自分の手に腹が立って

「だあ゛ぁらあああぁ」

壁にもう一つ穴が開いた