もう、どうでもいい






雨が止まない
湿気が気持ち悪い
雨の音がうるさくて
「なー」
「・・・・・あ゛?」
「・・・・」
「・・・・・・」
「おい!」
「・・・んー?」
返事も遅いし、余計にイライラする
「お前、王子バカにしてんの?」
「あ゛ー、ちょっと待ってろ」
そう言って頭を撫でられた
いつもなら、さして気にもしないけど、
「あー、も、さわんなっ」
「・・・悪かった」
それすら癇に障る
「もういい」
「どこ行くんだ?」
ソファから立ち上がるとすぐ、腕を引かれた
でも、視線は資料だの何だのを見ている
それで引き止めてるつもりかよ
さっと腕を払った
「マーモンとこ、王子暇なの」
「もうすぐ終わる」
「それ、さっき聞いた」
「ここにいろよ」
払った腕をさっきより強く引かれて、
そのまま俺はソファに落ちた
「はあ、死ねよ」
向けられない視線の先を辿ってみた、

見飽きた横顔を睨み付ける
「・・なんだ?」
「べっつにー」
「ベル」
「な・・ぇ、んっ」





呆けている俺の頭をぐしゃぐしゃにして、
また視線が戻る

まだ雨はうるさい
少し窓の先を見て
また、隣の横顔を見たら、
仏頂面が少し緩んでて

「キモイんだよ、バカ鮫」
「くっ」
そう言って、スクアーロは笑い出した

イラついてんのも飽きた

「さっさと終わらせろよ」
「ああ」