リベラ


























何もしていない時間は随分長く感じる
1秒が10秒に
1分が10分に
もう数時間くらい経ったんじゃないかって思うくらいに
「・・・・・」
「・・・・・」
スクアーロが本のページをめくる音と
息と
たまにシーツの擦れる音と
それだけ
「・・・・・」
「・・・っ」
肩口に寄りかかる
相変わらず本をよんでる
「・・・・・!!」
「まだ、一時間しかたってねえぞ」
「はあ、しんど・・・」
「まあ、耐えてる方だろうな」
「お前枯れてんじゃないの?」
「おい、喧嘩売ってんのか?」
「王子が折角言うこときいてやるってのにさぁ」
「・・・・・」
「静かに一日過ごすって、どこの年寄り?」
いつもより緩く髪を引っぱる
「一日やってりゃいいのかよ」
「吐くっつのボケ」
持っていた髪を放る
「ああ?」
「はあ、お前欲無さ過ぎ」
「肩に寄りかかる」
「そうでもねえよ」
「ふーん」
「・・・・・」
そんなやり取りも続かず
耐え切れず結局
「・・寝る」
「・・ん」





一日中部屋の中に居れば季節感なんてない
日が入れば温かい
窓を開ければ少し風が入る
「・・・・ん、」
「・・・・・」
「んー?」
「よく寝てたな」
「・・しし、王子閃いた」
「なんだ?」
「俺寝てれば解決すんじゃね?」
「くく」
「ひーま・・」
「別に喋るななんざ言ってねえだろ」
「あ、そうだっけ?」
「ああ」
つか、本読み終わったんだ
「んー」
「・・・・・」
右手が頬に触れた
「なん、・・」
「・・・・・」
「結局何だった訳?」
「しなかっただろ」
「・・・・・」
「喧嘩」
「・・・まあ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「それだけかよっ」
「ああ」
訳わかんね
喧嘩したくないならそう言えっつの
「つか、何押し倒しちゃってんだよアホ鮫」
「気が済んだ」
「王子言うのもなんだけどさ、お前最低だな」
「どうだかな」
「ん・・、んー?」
俺が黙ってうだうだしてる間、寝てる間
このバカ鮫は何考えてたんだか
唇が離れる
「ししし、王子若いからさ、年寄りの考えることはわかんない」
「ガキの間違いだろ」
「聞こえないね」
「そうかよ」
でもなんか機嫌良さそう
触れていた手は早速脱がしにかかる
「結局やるんじゃん」
「そうだな」
「全然わかんない」
スクアーロは口を開けて
何か言おうとしたようだったけど、
結局何も言わずに、ニヤつくだけだった
わっけわかんね
「・・・・・」
「はあ、おめでと」
「・・ああ」