ねえ、気づいてる?
常に時間は流れていて、この時間もいつか終わりがくるんだよ
幸せだと思う気持ちすら懐かしく感じる日がくるんだよ
永遠なんて存在しないんだよ
ねえ、光は気づいてる?
もしそんな日がきたら僕はどうしようかな
どうしたらいいのかな、なんて思うんだ
ねえ、光?










AvanturE










カーテン越しに光が差し込む
もう今日が始まった
今さっき今日が終わったばかりなのに
隣で光の寝息が聞こえる
もう少しこのままで居たいな

「光、おきて」
「ん〜・・」
「ひーかーるー?」
光は目をつぶったまま両腕を伸ばす
「・・かおるー」
「ん?」
その腕につかまって、引き寄せられる
「・・・何時?」
そのまま、ぎゅ〜っと抱きしめられる
「え〜、時計見えないよ」
「そっか」
つむじの辺りに光の吐息がかかってくすぐったい
「こら光、寝ないの」
「ん、馨かわいい」
「ふふ、何それ寝ぼけてるでしょ」
「しらない」
腕から抜け出そうとすると、またぎゅ〜っと抱きしめられる
「も〜」
光が笑ってるのがわかる
気持ちいい時間
「光、遅刻するよ」
「いいよ」
「だめでしょ」
「・・うん」
つむじにかかる息が規則的になってくる
「光、寝ちゃった?」
今度は返事が無い
「・・・好きだよ」
もし、終わりが来たら
この温もりすら思い出せないような日が来たら
そんなのやだよ
でもね、もし光が終わりにしたいって言うなら
僕はちゃんと終わりにするから
「心配しなくていいからね」
僕ももう少し眠ろうかな
光の心臓の音が聞こえて、
温もり心地よくて
涙が出そうだ




「・・馨、」
「わ、何起きてたの?」
「僕も好きだよ」
「もしかして、光寝たふり?」
「馨が照れてるー」
「知らない」
「うん、大丈夫ちゃんと好きだから」
「うん」
「心配しなくていいよ」
「うん」
「終わらせたりなんかしないから」
「うん」
「約束」
「うん」
もし、本当に終わりが来たら
「馨かわいい、目がうるうるしてる」
「・・だって」
きっと僕のほうが手を離せなくて
「ずっと一緒」
「ん」
そんな事言う光はずるい
「馨大好きっ」
「僕だって、光大好きっ」
でも、そうやって優しい光に甘えてる僕のほうがきっとずるいよね
「離れるなよ」
「光もだよ」
だって、まだ手は離せないよ
「馨が泣いてるー」
「光のせいーっ」
ねえ、光気づいてる?
「ごめんってば馨―」
「んー」
「馨?」
もし、本当に終わりが来たら
「・・光好き」
「うん、わかってるよ」
僕は光から離れて生きていけない