だったら、四六時中








「はぁ・・」
洗面台にある鏡に映った自分を見て、思わずため息が出た。
「はぁ・・」
いつもと変わらない、見慣れた自分が居て、
シャワーを浴びる前だから、上は何も着ていないから、
余計に目立つ。

いつだったか、光はすぐに痕をつけたがるから、
見えるところはダメだって言ったのを思い出した。

首筋を残したほとんどについた痕。
だから余計に首筋が目立つ。

「馨ぅー、」
「あっ、すぐ入るよ。光」
「ん〜」

光呼ばれて、随分ここに立っていたことがわかった。
急いで、光のところに行った。
「馨、どうかした?」
「ん?別に」
「ふーん」
光は浴槽から少し身を乗り出してて、
僕も浴槽に浸かった。


僕が入るなり、光は指を絡めてくる。
「光?」
「待ちくたびれた」
「ん、ごめんね」
絡めた指から引き寄せられて、水の中だから、
そんなに力を入れなくても、光のところに行ける


右手は離れて、頬を撫でられる。
左手はそのまま、絡めたまま。
水の中で、絡めた指が動いて、
「っん、」
「馨」
声が漏れて、それを塞ぐように口付けられる。
「んんっ」
でも、余計に声が漏れる。

絡めてる左手が、水の中からだされて、
触れた空気が心地良い
それを舐めらる。
「ん、光」
今度は、思い切りぎゅっと抱きしめられる。
「も、光っ」
「ん〜?」

こうやって、だらだらしてる時間が落ち着く。
何も考えないで、光とずっと一緒に居て、
それでも時計の針は動くけど、

光の息が肩口に当たって、
段々それが規則正しくなっていく
「光ぅ〜?」
「んー」
「寝てるでしょ?」
「ん、」
「ほら、もう上がらないと」
「うん」
「逆上せちゃうよ」
「んー」
「おきてー」
「馨」
「何?」
「好きだよ」
「うん」
いきなり言うから、
ちょっと吹き出しながら答えた。



それでも、時間は流れてる、
これは永遠じゃない。

ある程度、身体を拭き終えて、
光の頭を拭いてあげる。
「明日は何しようか?」
「んー、光は何したい?」
「馨と一緒に居たい」
「いつもでしょ?」
「うん」
目が合って、何だか逸らせなくなって
どちらからとも無く口付けた、
鏡にさっきと同じ自分が映ってた。