好き



























サボっても
擦れても
それでもバスケしてる時の
圧倒的な強さは
やっぱカッコよかった
実際
相手になる奴なんて居なかったんだから
バスケの中で孤立していっても
一人でも
追いつけなくても
それでも俺は
どうしようもなく
どうすることも出来ず
ただ
好きだった


なんて俺は色々考えてるのに
当人はベッドに寄りかかったまま
写真集を眺めている
「青峰っちー」
「・・・ん」

負けて悔しくて
情けなくて
でも
青峰っちが勝ったことに安心して
結局憧れてるのは
そう簡単に消えるわけなかった

ベッドの上
後ろから覗き込むけど
特にそれに興味はないから
短い髪を軽く引く

「暇っスねー」
「・・・ん」

ちょっと雰囲気が変わった
いや、緑間っち的に言うと多分
戻った、かな

黒子っち達と試合して
から
初めて負けるところを見たけど
思ったほどショックは無かった
かな多分
結局それでもカッコいいことに変わりなくて
負けてもやっぱり好きだった


ベッドの上から覗いていると
視線が合った
「お?」
「・・・」
頭の後ろを掴まれて
そのまま引っ張られる
「わ、んんっ」
「・・・・」
「何スか、急にっ」
「・・別に」
また視線を写真集に戻す
何なんだろ
「つか、倒れる倒れる」
「お前邪魔」
体勢が崩れて
調度お腹の辺りで青峰っちの頭にのっかる
「青峰っちが引っ張るからっス」
「見えねえだろうが」
「ちょ、と、と、おわっ」
「あー重てえ」
青峰っちが頭をずらしてよける
こっちは支えが無いんだって
「もー」
「・・」
そのままベッドからずり落ちた
「扱いが雑いんスよ」
「結局邪魔してんじゃねえか」
ぺしぺしっと背を叩かれる
やっぱりちょっと変わった

それが全部
俺だったらよかったのに
って思うのは
勝手で
贅沢で
我侭かな
やっぱ
「はー」
「・・」
「ちょ」
「ぶはっ」
鼻をつかまれた
「もー俺を何だと思ってんスかー」
「モデルの黄瀬君」
「嘘っ絶対嘘っスよそれ」
「わかってんじゃねえか」
「もー」

「・・」
「ん?」
左肩を掴まれ仰向けになる
顔が近づいて細められる目が好きだ
多分青峰っちの方が体温高いんだと思う
入ってくる舌が熱くて気持ちい
あ、この人写真集どこやったんだろ
「・・する?」
「聞くんスか?」
「マイちゃん見てたら勃った」
「最低だよアンタ」
「しねえの?」
「っ」
肩口に擦り寄ってくるから
髪が掠ってくすぐったい

ダメだ
今日もなし崩しだ
だったら
溜息位つかせてよ
「はあ」
「ん?」
「・・・・・・する」
「はは」
そうやって
昔みたいに笑うのも
「・・バカー」
「はいはい」



結局どうしたって

好きなんだ