休息




























「ちと休む」
「ん?」
ベンチに座る
「あー」
「どうしたんスか?」
別にどうもしない
隣に黄瀬が座った
「青峰っち?」
顔を覗き込むみたいにするから
視線だけ向けて
口を開いて
やっぱ止めた
別に
だから
どうもしない
してない何も

無視してるわけじゃなくて
上手く返せないだけで
何もない
本当に
言葉にするような事は何も

「ふーん」
「・・・」
黄瀬は横に、背を向けるように座りなおす
ボールを持って、跳ねたり、手で転がしたり
何もねえよ

肩に少しだけ体重が乗った
「・・・重い」
わけない
けど
人の
他人の温度がなんか
「うん」
「・・・・」
何も無いって
ほんとうに
跳ね返すように背中に
倒れるみたいに
力を抜く
「今日は天気いっスね」
「・・おお」
ゆっくり息を吸って、吐く
なんかもう寝そうになりながら
相槌だけ打って
周りの音がどんどん遠くなっていく
あんまり心地いいもんだから
「お疲れ様」
「・・・おお」
結局目を閉じた