abandon





























海常


青か
ユニフォームも青
んー
制服は青
なわけ無いか
ってか青の制服ってどうだろ
ダサいかも
体育館少ない
帝光に比べたらだけど
それでもいっか
あ、あの人次のキャプテンだっけ
誰でもいいけど
あ、短髪

ダメだ
背違うし
フォームもポジションも全然違うし
ダメじゃん俺

「で、結局何を見てきたのだよ」
「体育館?」
「馬鹿が」
「だって、すぐ女の子に囲まれちゃって大変だったんスよ」
「ざまあ無いのだよ」
「ひっで」
「で、どうするんだ」
「まあ、いっかな」
「妥協か」
「お前には青峰に負けない才能がある、ってさ」
「・・・」
「監督の口説き文句」
「お前を落とすのにそれ以上の言葉は無かろう」
「そうなんスよねー」
「決まりだな」
「ん」
「しかし、お前が青峰を越えるとは、到底思えんな」
「今はそうかもしんないっスけど、先はわかんないっスよ」
つか、越える前にまず、追いつかないと
ホントは同じとこ行ってコピーするのが手っ取り早いけど
それやると俺
ただの保険になっちゃうし
つか、やっぱ試合の方がピリピリして、マジだし
ワンオンワンだけじゃ満足出来ないし
だから同じ高校に行けるの
黒子っち位だったんだけど

「黒子っちはどこ行くのかなー」
「聞いてくればいいだろう」
「緑間っちは意地悪っすスねー」
「知らん」
「結局皆バラバラっスね」
「全員同じ所に行くわけが無かろう」
「そうっスね」
こうやって話するのも後少しなんだよね
あっという間だったな

「あ?お前達何してんの」
「あ、青峰っち」
「黄瀬が勝手に喋っていただけなのだよ」
「え、独り言扱いっスか」
「ふーん、お前ら仲良いのな」
「・・・やきもち?」
とか言ってみる
「死ね」
「消滅しろ」
「酷い、つか、青峰っちどこ行くんスかー」
「ついてくんなうぜえ」
「ええ!?」
そんな簡単に避けなくても
仕方なく、緑間っちの元に戻ろうとしたら
しっしと手を振られる
「はは、また後で」
「後など無いのだよ」
じゃあね、と手を振る

「ねー、どこいくんスか」
「売店」
「今2限終わったとこじゃん」
「うるせ、腹減ったんだよ」
「そうっスか」
「・・お前海常行くのか」
「そっすよ、青峰っちは桐皇っスよね」
「おー」
ちょっとした決断だったりするんだけど
「よかったね、桃っち一緒じゃん」
「うるせえだけだろ」
「またまた」
気づくかな
「お前なんかたくらんでんだろ」
「企むってなんスか」
「なんとなく」
「ふーん」
気づかなくていいよ
「俺も何か食べよ」
今は退屈かもしんないけど
すぐ越えに行くよ
そんでちょっとはビビらせてやるから
「カレーと焼きそばとコロッケ」
「何個パン食べんだよ」
「うるせえな、母ちゃんかお前は」
「俺こっちの苺サンド」
「女子か」
「母ちゃんとか女子とか、俺何者なんスか」
「知るか」
だからもっと期待してなよ
きっとまだまだバスケ楽しいから
「つか、お前どこまで着いてくんだよ」
どこまででも、なんつって
「・・屋上まで?」
「暇人」
そう言って溜息をつくけど
満更でもないでしょ