昨日今日明日





























クラス替えが終わって、
席とかメンツが変わって
それも段々見慣れてきて
少しずつ暑くなってくると
夏休みまでの日にちを数えだす
別に何が有るわけでもないけど

「何やってんだ?」
「あー、青峰っちー」
「どけ」
「えー?」
「えーじゃねえよ」

ごろっと寝返りを打つ
「どうせ誰も居ないじゃないっスかー」
「俺が居るんだよ」
「んー」
「つか、センターサークルに寝転がんな」
「ちょ、痛い痛い」
「どーけ」
「も〜、俺今日誕生日なのに〜」
「知るかよ」
「酷いっスよ、女の子はいっぱいプレゼントくれたのにー」
「踏み潰すぞ」
「うわっ怖い、青峰っち今の顔超怖い」
「やっかましいな相手してやんねえぞ」
「それは困るっス」
そう言ってすぐ立ち上がる
元気じゃねえか
「つか、あ?お前誕生日かよ」
「そっスよー」
「ロッカーから荷物はみ出しまくってたのはやっぱお前か」
「いやー、毎年イベントごとあると大変なんスよ」
「黄瀬、俺は思うんだけどよ」
「はいっス」
「バスケのボールは、凶器なれるんじゃないかって」
「青峰っち俺この後飲み物奢らせて頂きたいっス」
「よし。」



「青峰っち」
「あ?」
「一本取れたらアイス奢って欲しいっス」
「ざけんな」
「いーじゃないっスか」
「やなこった」
「う、わっと」
相変わらず、タックルするようなフェイントにはすぐビビるから
「っし」
「あー」
「次ラストな」
「えー?」
「つか、お前さあ」
「何スか?」
「俺に集らなくても、腐るほど貰ってんだろが」
「んー」
「ついでに金欠だから、俺がやれるもんとかねえぞ」
「・・・あるっスよ」
くしゃって何かいつもと違う笑い方をした
「あ?」
って、いきなりスリーかよ
いつもどつくみたいにぶつかって来る癖に
くっそ、届くか?
「・・・」
「なろっ」
手を伸ばす

「青峰っち」
「あ?」
つか投げんの遅え
「好きっス」
「・・・はあ?」
っし、ちと掠ったリバウンド
「あ、」
「・・・」
「あーあ」
「掠ったからな」
「流石っスね」
「つか、お前」
「これ位の揺さぶりじゃ効かないっスか」
黙ってチョップで返した
「あいたー」
「お前バカだろ」
黄瀬は頭を抑えてしゃがむ
「青峰っちー」
「んだよ」
「俺、青峰っち好きだよ」
「知ってんよ」
「ぶっ、はは」
「何笑ってんだよ」
「何照れてんスか」
「ああ!?」
「ふふっ」
「・・つか、何だそれ?」
「うん、言ってみただけっスよ」
「・・・」
「じゃ上がりますか」
背を向けて歩き出す
なに考えてんのか、いまいちわからん
んで、このまま帰ったらまた、ファンだなんだに捕まって、
あのバカみたいな荷物もって帰るのかって考えたら
何か
「黄瀬っ」
呼ぶと背がびくっと跳ねた
「っ、はいっス」
「いらねえのか?」
「何を?」
「・・・アイス」
「え・・・い、いるっ」
犬みたいにすぐ戻ってくる
「コンビニの、一番安い奴な」
「マジスか」
「おー」
「その代わり、夏休みの最後返せよ」
「ん?」
「俺の誕生日」
「え、31日?」
「おー」
「うわー、忘れられそう」
「忘れられんだよっ」
「はは、わかったっス」
「おお」
「じゃあ、俺は日頃の感謝を込めて、ゴリゴリ君2つ贈るっス」
「ふざけんな」
「はは」
「・・空けとけ、バカ」
「・・・・」
「・・1日」
「ん、あんた宿題溜めてそう」
ちょっと、はにかんで笑うから
つい、目をそらして、デコを軽くはたく
「あー、いいから空けてろ」
「はは、いいっスよ」
もしかしたら今年は
いつもよりちょっと楽しいかもしれない
「おめでとさん」
「どーも」