好きだよ




























「と、」
「・・・」
こうやって倒されるのはだいぶ慣れた
女の子とするより楽かなとか思ってたけど
意外と色々面倒で
そうでもなかった
けど、どこまで荒くていいかとか、
心配しなくていいとこが
多分楽
多分
抱きしめられて、首筋に口が近づいたりすれば何となく
「する?」
「する」
聞かれなくてもいいけど
「あ」
「ん?」
「・・ちょっと待ってろ」
「うん」
青峰っちは背を向けて何か探しだした
「どうしたんスか?」
「つめきる」
「へ?」
「・・・」
覗き込むと左手の親指から順に爪を切っていた
意外とまめだ
「中指とか2、3本切っておけば大丈夫っスよ」
「足りねえだろ」
「そんなばかな」
「こういうのは一気にやっとくんだよ」
「ふーん」
背中に抱きついて待っていたら
今度は右手も切りだした
「・・・そっちはいんじゃないスか?」
「一応」
「んー」
まだかなって、青峰っちの短い髪を引っ張る
「やめろ、深爪すんだろ」
「ふふ」

「青峰っちー」
「あー?」
「なぜ足までもー?」
「気になるから」
「即答かよ」

「うーん」
「お、どこいくんすか?」
「手洗ってくる」
「・・・青峰っち潔癖症?」
「・・・あー、そうかも」
自分の部屋を見渡して答える
潔癖なんて欠片も無い
「はい、それ、嘘」
「じゃ、聞くなよ」

「おかえりー」
「おー」
手が少し冷たい
石鹸の匂いがする
そこまでしなくても
「やっぱ潔癖じゃん」
「あ、なに?」
「好きって言ったんスよ」
「・・ふーん」
ちょっとニヤケそうな感じと、
それを必死に堪えてるのがやっぱり

好きだよ