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「お前結局止めなかったな」
「なんすかー、突然」

どれだけお前が強くなっても
正直勝てる自信が有った
負ける想像がつかなかった
他のやつらと違って
面と向かって戦える分
絶対に勝つ自信が有った

お前の楽しいはずっと
俺が居ることで満たされてようだが

座り込んで、目を瞑った
「泣いてんスか?」
「誰が泣くか、」
「ふーん」

こっちは
その足音に安心はしてたけど
決して満たされてはいなかった、って言ったら
キレるか、泣くか
いや、泣かねえか

黄瀬は視線に気づいたのか、隣にしゃがみこむ
「何?あんた今日おかしいよ?」
「どうもしねえ」
「うーん、こういうときは黒子っち呼ぶのが一番なんスけどね」
「何でだよ」
「何か取説的な」
「わけわかんねえから」
「そうっスか?」

そんで
負けて泣いてんの見て
お前は良いなって
まだ有っていいなって
羨ましく思ったと同時に
こんななったのが俺で良かったって
思ってもいた

「キスする?」
「は、あ?なんだいきなり」
「そんな雰囲気かなって」
「そんなだったか?」
「んー、あんたあんま言わないけどさ」
「なにを」
「俺結構好き嫌いはっきりしてるから」
「あー、まあ、そうな」
「好きでここ居るよ」
「・・」
「気に入ってるし、色々困る事はまあ、あるけど。多分普通じゃないんだけど」
「・・」
「・・ちゃんと好きだよ」
「おっまえ、ど、した」
「あんたがへこんでるっぽかったから慰めてたんじゃないスか」
「慰められてたのか」
「そうっスよ、あんたホント言わないかわかんねんだよ、いっつも」
「照れてんのか?つか何で怒ってんだよ」
「だってそうじゃないスかー」
「つか、お前が一々言いすぎなんじゃねえの」
「普通っスよっ」
「じゃあ、俺は何なんだよ」
「変っ」
「・・ふ」
「おい、喜ぶなよ」
「いや、悪くねえなって」
「もー」
そう言ってそっぽ向く
「こらこっち向け」
「んー?」
言いながら腕をひくと
口をわざととがらせてて、
けど、なにされるかわかってる顔に
そのまま距離をつめた
離れても口をとがらせるから、
下唇少し咥えて、頭を軽く叩いた
「ん、も、ちょっとー」
「さて、続きすっか」
「また、自己完結するし」
そう自己完結する
けど、自己解決は結構しんどい
「・・助かった」
と、雑に頭を撫でる
「・・・・どう、いたしまして」
「おら立て」
「はいっ立たして」
黄瀬は両手を伸ばす
「甘えんな」
「ふふ」
仕方ねえから起こしてやるけど
「いや」
「ん?」
「たまになら、甘やかしてやる」
「・・・青峰っちがデレた」
「うっせ、お前・・」
「あー、これじゃボールに集中できねえ」
「やんねーの?」
「やんねーのっ」
「ふふ、じゃあ飲み物買いに行かねえっスか?」
「・・・おう、にやつくな」
「えー?無理でしょ」
嬉しそうに笑うのを見て
好きだなって
言わねえけど
「青峰っちー好きっスよー」
「・・お、れも好きだけどなっ」
追い討ちかけんな