after


























ナイスパス
そう言って拳をあわせる
のを
少し離れて見る
ただぼーっと
授業中に窓の外見るみたいに
ビックリするくらい他人事みたいに
眩しくも無いのに目を瞑りたくなる
馬鹿みたいに投影して
ただ暑い

「何ぼーっとしてんスか?」
「あ」
「ね、青峰っち」
「おー」
「最近の黄瀬は、しょうがないなあって顔して笑う」
「傷心な青峰っちに朗報っス」
「誰が傷心だ」
「このゲーム勝ったら、火神っちの手作りオムライスっスよ」
「・・は?おいマジか」
悪くないな、なんて考えてたらゴール下から声がする
「待てコラ、聞いてねえぞっ」
「僕も食べたいです」
「火神っちが負けなきゃすむ話っスよー?」
「そういうこと」
「くっそ乗せられてる」
「僕達が勝ったらビーフシチューがいいです」
「お前な」
自分で選んで突き放したくせに
未練がましい

「あ、俺食ったことないかも」
「食いもんならどっちでもいい」
「作るの前提かよ」
「ダメですか」
「・・いいけどよっ」
「決まりっスね」
「黄瀬お前買出し・・・いや、皿洗い」
「そうですね」
「ええっ買出しのがいいっス」
「・・・・」
「お前外出すと帰ってこねえだろうが」
「すぐファンに捕まりますからね」
「あー」
「ったく、お前ら余所見してんなよ」
マークなしで外れるわけが無い
ボードにも触れず、リングの中にそのまま入る
「あ゛、・・黒子っ」
「はいっ」

「どうせ食うなら勝ってからのがいいからな」
「ん、ふふっ」
大雑把に黄瀬の頭を撫でる
「何ニヤついてんだ、コラ」
「えー?いった、痛いって」
「おし、黄瀬、ちょっと踏ん張ってろ」
「ん?なにって、うわっ」
黄瀬の肩に手をついて、飛ぶ
勢いがついて、火神のジャンプも抜けた
「これもアリだな」
「ねえよっすっげ痛いんすけど」
「火神君僕もあれ・・」
「あ?お前の場合持ち上げたほうがっ、ごふっ」
思い切りテツの肘が入る
「手が早えからなあ」
「あんた言ってからやれよ」
「あー、はいはい」
それでも居心地は悪くは無い