何よりも



































「赤司っち」
「なんだ?」
「ね、オレのどこが好きっすか?」

それは突然
聞きたいのか
本当は言いたいのか
何れにしても
心待ちにして楽しそうな姿に負けて
たまには
真面目に答えてやることにした

手を伸ばして頬に触れる
「顔立ちはきれいだと思う」
「うん」
「仕事柄か人に見られている意識が高く、そこは尊敬している:
「ん」
「自助努力できるところは、良いところだろうね」
「うん、他には?」
子供が強請るような顔をしているから
これ、と明確な言葉じゃなくても
何か言ってほしいことがあるんだろう
「そうだな」
「うん」
けど、何よりは
「俺を、好きだというところだよ」
「ん?」
「そこが一番かな」
「・・俺が赤司っち好きなこと、が好きってことすか?」
「そうだよ」
「ふーん」
少しだけ考えているようで
「・・」
「ふふ」
でもどうやら、ただ聞きたかっただけらしい
満足気に、無邪気に笑う
髪を撫でると気持ち良さそうに目を瞑るから
読んでいた本を閉じた
「おいで」
「んー、どうしたんすか?」
「大人しく待ってたから、構ってやろうかと思って」
「わー」
両手で髪を梳くと綺麗な金色が光に煌く
「好きだよ」
「んー」