君が好き
「黒子っちは俺のどこが好きっスか?」
「・・・」
唐突に
何の脈略も雰囲気も無く
「・・・」
「・・・」
突然
「・・・黒子っち?」
「改めて問われると」
「・・・?」
「出てこないものですね」
「・・・あんまりっス」
そう言って
もろにへこんだという素振り
肩を落として、へなへなになるところ
まるで、叱られた犬みたいに
その仕種が多分
「君の」
「・・・?」
「そういうところは、嫌いじゃありません」
「え?どこっスか?」
あ
戻った
一瞬でいつもの黄瀬君に戻ってしまった
「どこっスか!?」
「気のせいでした」
「そんなぁ、何が黒子っちのツボ入ったんスかー?」
「わかりません」
「黒子っち、、、」
「嘘ですよ。わかりました」
「どこ?」
さっき凹んでいたのが嘘のように明るく
嬉しそうに、答えを心待ちにしている表情
ああ、多分
「秘密です」
「ええ゛!?」
「ちょっと黒子っち、どこ行くんスか」
「練習に戻ります」
こうやって離れると、必ず追いかけてくるところ
「あれ?何かちょっと嬉しそうじゃないっスか?」
「気のせいです」
単純で純粋で
「ちょっと待って黒子っち」
「待ちません」
とても真っ直ぐで
「やっぱ何か嬉しそうっスよー?」
「気のせいですよ」
鈍感な所とか
「黒子っち?」
「・・・・」
多分
「黒子っち捕獲っス」
「黄瀬君」
「はいっス」
どうしようもなく
「全部、好きです」
「!!」