まだ曖昧


























無い、よなぁ
やっぱ
ゆっくり会う時間
中々
無い
うん
「百面相」
「へ?」
「ホントにしてる人始めて見ました。」
「?」
黒子っちは読んでいた本を伏せる
「どうかしたんですか?」
「あー、えっと」
「・・・」
「そうっスねー」
どう話したものか
「黄瀬君?」
「真面目な話なんスけど」
「はい」
「いや、なかなか無いじゃないっスかこういうのって」
「ゆっくりしている時間ですか?」
「んー、ってか、もっとこう」
「何ですか?」
「あんまいちゃついてなくないっスかねっ?」
「・・・はあ」
「黒子っちー」
あ、何か若干引かれたかも

「例えば?」
「ええ!?」
「冗談です」
「・・」
「そうですね、黄瀬君」
「え?えっ」
黒子っちの顔がどんどん近づく
うわ、いきなりキスすんの?
「黄瀬君」
「は、はい」
ちか、い
「今すぐ青峰君と本気で1on1対決ができます」
「え」
「と言ったら君、どうしますか?」
「そ、れは、っと、え〜?」
「ふふ」
「黒子っち?」
「そういうことです」
「え」
「いいんじゃないですか?急がなくても」
それは俺も黒子っちも同じことで
優先順位をうまくつけられていないって
言われてるような
言ってるような

でも
わかってても
それでも
「けどっ」
「・・」
距離をつめる
会話をする距離じゃないけど
なら逆に
触れてもいいよって言てるようなもので
だったら、俺は
「もっと近づきたい」
「・・何か、ドキドキしますね」
「それ真顔で言うんだもなー」
「どうしろって言うんですか」
「そこは照れたりとか、」
「君が照れてるんでいいじゃないですか?」
「え、よくないっスよ?」
「・・はい」
黒子っちは目を閉じる

嗚呼
結局ここまでか
唇が離れたら
また何事も無かったように
くだらない会話に戻るんだ
悔しいけど

まだ


まだまだ曖昧