unforeseen






















「ねー、桃っち、俺のどこが好きっスか?」
イタズラしに来た子供みたいな顔で笑う
「きーちゃん何言ってるの?」
「真顔で問い返すのはなしっス」
「ん?」
「好きなとこっスよ」
きーちゃんの好きなところ
「なんだろ?優しいところ」
「うん」
「バスケ一生懸命な所」
「うん、うん」
「・・・優しいところ」
「それ2回目っス!!」
「ふふ、あとねー」
「うん」
「んー」
「他にはー?」
「急に言われても、ね」
「じゃあ、嫌いなところは?」
「んー」
きーちゃんの嫌いなところ
「嫌いなところ」
「うん」
「・・嫌いなところ?」
「うん」
嫌いなところ
「・・・・あ、れ?」
「ん?」
嫌いなところ
「きーちゃん、大変」
「どうしたんスか?桃っち」
「無いよ」
「・・・」
「無いのどうしよう」
「無い?」
「見つからないの」
おかしいでしょ
だって、
「だってね」
あれ?
「桃っち?」
「・・きー、ちゃ」
「青峰っちでも黒子っちでもバスケでもないことで、桃っちが焦ってんの珍しいっスね」
「私、きーちゃんが好きなの?」
「・・んと、どうっスかねえ」
でも
だったらいいな
って嬉しそうにはにかむから
ボロボロ涙が出て
手も伸ばせなかった