水面上か下かというだけ
























「あついよねー」
「そうですね、紫原君汗拭いた方がいいですよ」
「んー、二人とも凄いよね」
「呆れますけど、よっぽど楽しいんでしょうね」
休憩中になると始まる
青峰君と黄瀬君のワンオンワンも随分見慣れた光景になった
休んでいる僕達を横切りながら、部長と副部長は言う
「毎日良くあきないのだよ」
「いいことじゃないか」
正直
「変わりませんよ」
溜息混じりに
独り言みたいに言ってみた
「なにがー?」
「いえ、なんというか」
赤司君と緑間君が通り過ぎたことを確認して続ける
「青峰君と黄瀬君のあれは目立つのですが、赤司君と緑間君もそう変わらないと思って」
「んー?」
必死に追いつこうとするところも
追いかけられることが楽しくて仕方ないところも
「独り言なんですが」
「赤ちんとみどちんが、青ちんと黄瀬ちんに似てるってこと?」
「そうですね、気づきにくいだけで」
似たようなものだと
「あー、なんかわかったかも。将棋してるときと一緒ってことでしょー?」
「はい、そんな感じです」
「確かにねー」
「僕からしたらどちらも同じに見えるんですよ」
「なるほどねー、みどちんたまに暑苦しいし、似てるかも」
「はい」
結局同類なんですよ
ただ少しは羨ましくもある
「じゃあ、俺らは大人しい組だねー」
「そうですね」
「黒ちんにだけ後で新しいスナック菓子見せたげる」
「ホントですか。楽しみにしてます。」
「うん、してて」
休憩終わりの笛が鳴る
がくっと黄瀬君は膝を落として
青峰君は勝ち誇ったように笑う
そして、
よくあきないな、と緑間君が言うと
頷きながら赤司君が笑う