爆弾スイーツ
























「で、俺は思うんスよ」
「へー」
つまらんと言いたげな青峰っちの返事
「テツ君テストどうだった?」
黒子っち以外見えてない桃っち
「ちょっと自信無かったんですけど、大丈夫でした」
そんな桃っちと普通に会話してる黒子っち

「一人くらい聞いてくれてもいいじゃないスか」
「聞いてる聞いてる」
「きーちゃんってなんか安定してるよね」
「そうですね」
「あんまりっスよ」
「で?」
やっと青峰っちが返事をくれたから、飽きられる前に続きを話す
「だから、青峰っちはたらしではないかと思うんすよ」
「はあ?」
「何それ?」
「意味がわかりません」
「だって、相棒の黒子っちも居て、かわいい幼馴染の桃っちも居て、
イケメンモデルの俺っスよ?たらしじゃん」
「最後はいらねえな」
「いりませんね」
「そうだね」
「ちょっとー」
「つーか、言いたかっただけだろ」
「黄瀬君ちょいちょい適当なこと言いますよね」

「聞いてくれたと思ったらこれっスよもー、桃っちー」
「あーもー、その辺にしてあげなよ」
「女にかばわれてどうすんだよ」
「情けないですよ」
「え、なんでっスか、女の子は味方してくれるじゃん」
「なんだろうな、こう、人一人埋めたくなるような気持ちは」
「黄瀬君ほんと凄いですよね」
「きーちゃんってやっぱ変だよ、もてるからおかしくなってんじゃない?」
さっきまでフォローしてくれてたのに
「どういうことスか、つか、もてるって桃っちもでしょ」
「はあ?こいつがもてるかよ」
あー、またそういうこと言う
「青峰君は黙ってて」
「桃井さんは魅力的ですよ」
流石黒子っち
「はわ、てつ君・・好き・・」
パタっと幸せそうに倒れる桃っち
「おーいさつきー帰ってこーい」
「よかったね桃っち、俺はどっスか?黒子っち」
「だから何でお前が出てくんだよ」
「あまり好きじゃないです」
「ひでえ」
「ぶっは」
「あ、でも、これがイケメンなんだろうなって、思います」
「若干ぼやけてるのが気になるけど、ほめ言葉だと信じたいっス」
「くっだらね」

それよりなにより
「つーか、黒子っち桃っちとはどうなってんスか?」
「どう、と言われても」
「居るよな、んな話ばっかしたがるやつ」
「いいじゃないっスか」
「そうですね」
「何で俺見んだよ」
「あー」
「それは僕にふる話題じゃないと思うんですけど」
「んー、でもこっちはこっちで進まなそうだし」
「あ?」
やっぱ、青峰っちはわかってないんだろうな

続けようとしたら、突然桃っちが起き上がる
「あ、私忘れてたっ」
「おお、桃っち」
「やっと起きたか」
「桃井さんどうかしたんですか?」
「あのね、私今日クッキー焼いてきたの」
「まじっスか」
「うっげ」
「そうなんですか」
「青峰君と、きーちゃんはこっちね、ちょっと形失敗しちゃったの」
「あからさまな贔屓っスね」
「ばっか、お前絶対くいもんじゃねえぞ」
「で、えっと、テツ君は、こっち、良かったら」
「ありがとうございます。」
折角作ってもらったんだから、形はあれだけど
「じゃ、ひとついただくっスね」
「オイ待てって、」
ぐっは
「黄瀬っ」
「ええ!?きーちゃん?」
「黄瀬君大丈夫ですか?」
「やばいっスよこれまじでほんとすげえやばい」
「死ぬな黄瀬、すぐ救急車呼んでやるから」
「もー二人とも酷いよ、大げさすぎー」
いや、まじて、気が遠くなる味がするんすけど
「えっと、じゃあ、いただきます」
恐る恐る黒子っちも口に運ぶ
「うん」
心配そうに見守る桃っち
・・・・ぱたっ
そして、静かに倒れる黒子っち

「テツー!!」
「え、テツ君?」
「あ、あまりの味に気を失いかけました」
「わあ、ほんとに?嬉しい」
「ばか、誰もうまいとかいってねえだろ」
「なによ、じゃあ青峰君は食べなくていいよ!!」
「あ、あー」
流石に言いすぎ、ってか言い過ぎでもないけど
やっぱ世の中言って良いことと悪いことがある
「・・・青峰っち、女の、子、泣かせちゃ、ダメっスよー」
「・・青峰君、男、なら誠意、を、見せる、べきです」
搾り出すような被害者の声に
流石の青峰っちも顔色が青く、なってるかわかんないや黒くて
「いやいやねーって、冗談だろ」
じーと桃っちが見つめる
「まじかよ」
「・・俺、は青峰っち、尊敬してる、んスよ」
「・・君は、僕の光、です」
「こういうときばっかお前らはよっ」
一欠けしか食べなかった俺のクッキーを
青峰っちはがばっと掴み
「・・・短い人生だったなあ、いただきますっ」
勢い良く口に運んだ
「青峰っち、やっぱ男っス、わ・・」
「・・流石、青峰君、です・・」
「さつき、、頼むから、味見、しろ」
「え、ちょっと皆?・・・あーあ、寝ちゃった。
・・・・・まいっか、私もお昼寝しよ。今日はいい天気だなー」