yet
























違和感が少し
ずっと気になっていた
最近、少しだけ離れて見てる様な
一人だけ舞台から降りたように見えることがあったから

だから殴った、と聞いたとき
驚き半分となんとも言えない納得が半分あった

「青峰君、聞きました」
「んだよ」
「カッコつけるのやめてください」
「つけてねえよ、コソコソしたのが嫌いなだけだ」
いつもそうだ
みんな誰にも反感を買わないわけじゃない
どうやったって目立つ
実際、赤司君の目が届かないことだってあった

「青峰君」
いつも向けるの背中ばかり
そうやって正面はどらくれい怪我だらけなんだろうか
「黄瀬君だって喜びませんよ」
「言わねえよ一々」
「・・気づきますよ」
一瞬こちらを見てまたゴールに向き直る
僕だって、あのまま灰崎君が大人しくするとは思えなかった
黄瀬君だってきっと
「心配するんでやめてください」
「・・悪い」
とだけ
でも、わかったとは言わない

いつも
誰も君に、守られたいなんて思ってない
多分黄瀬君も不審に思うだろう
このまま誰の耳にも入らなければいいけど
「愚痴聞くの誰だと思ってるんですか」
「テツ」
「殴られたらいいんじゃないですか?」
「やだよ」
「青峰君、もし僕が君と同じことしたらどう思いますか?」
「あー、いざとなったらお前やりそうな」
「しませんよ」
「スカッとするけど、やっぱ腹立つ、で、多分凹む」
「わかってるならいいですよ」
それ以上何も言わなかった
黙ってるときは沢山、考えてる時だから

誰も君を一人で下ろさせたりしないから
どうか勝手に下りてしまわないで欲しい


息をひとつ大きく吐いて
「試合、出れなくなったら困るからな、気をつける」
「そうですよ」
まだまだ、これからだから