心配性
























「まさか負けるとは思わなかったのだよ」
「見に来てたんスか、緑間っち」
「どっちが勝っても胸クソ悪い試合だったのだよ」
「黒子っちには会わないんスか?」
「俺はあいつと相性が悪い」

何回試合出て、どんだけ一緒に居たか
俺より長いんだから、今更って
けど
でも
そうか
「お前の目標は青峰だろう、こんなところで落ちている暇は無いのだよ」
「わかってるっスよ」
うん
多分俺が勝ってたら
黒子っちの所に顔を出したんだろう
そういう人だった
俺も黒子っちも負けず嫌いだから
煽って前向かせに来たんだろう
なんだかなあ
気がしれてるって言うのは
嬉しいような、気恥ずかしいような

「なんだそのみっともない面は」
「ちょっと、どういうことっスか!?」
「ニヤつくな気色悪い」
「あんた言い方があるっしょ。つーか、火神っちにだって次は負けないっスよ」
「あれはまだ荒削りだ、黒子との連携もまだ様になっていない。
2年にフォローされっぱなしで見っとも無いのだよ」
「まあ、確かに」
うちの先輩達も動き辛そうだったし
「それに、個人としての評価はまだ低い」
「まだ、ね」
「まさか負けるとはな」
「だから、何度も言わないで欲しいっス」



「そもそも黒子と話すべきなのはお前じゃないのか」
「へ?」
「どうもまだ煮え切らない節があるのだよ」
「なんスかそれ」
相変わらず痛いとことを
傷を抉ってくれる
抉って、それを自分で治していくのが人事ってことなのかな
「今がどういう状態か認識しろ、そして目標は明確にすべきだ」
「俺何も言ってないじゃないっスか」
「お前は単純だからな」
「ん?何か今馬鹿って言われた気がしたんスけど」
「よくわかったな」
「なんなんスかもう」
相変わらず人を馬鹿にして
でも、こんなやりとりも少し懐かしく感じて

「黒子っちはさ、青峰っちを倒したいのかと思ったんスけど、
何かそれだけじゃない、ような、
じゃあ、火神っちを青峰っちの代わりにしたいのかと思ったんスけど、
それも何か違うっぽいし」
「アイツはアイツなりのバスケを捜している、部を辞めた理由もそうだろう」
「うん」
「明確なのは、個々で成り立つチーム、例えば桐皇のようなバスケとは真逆だということだ」
桐皇って青峰っちが行ったとこ、個々って
「何か良くわかんねえっス」
「はあ」
「あんた感じ悪いっスよ」
「良くわかったな」
「だからさあっ」
俺じゃだめなのかな
「相変わらずお前は、黒子に評価されることを気にするな」
「・・・そりゃあ黒子っちとは親友っスからね」
「初耳なのだよ」
「ちょっと」
「まあ、端から長話する気はない、そろそろ帰るのだよ」
「そっスか」
「・・・」
「ま、もし緑間っちが凹んだら俺が慰めに行ってやるっスよ」
「要らん」
「即答っスか」
「不要だが、そうだな、考えておくのだよ」
「ん」
「下らんことを考えるのはお前の悪い癖なのだよ」
「わかったっスよ」
親かっつーの
っとに、何しにきたんだか


「話は終わったか?」
「あ、先輩」
「軽くミーティングして今日は上がりだ」
「ういーっス」
「・・・仲良いのな」
「いやー、何か説教された気分っス」
「・・してっからだろ」
「何をっスか?」
「期待」
「・・・」
「・・・」
「へへ、いだっ」
「シャキッとしろボケ」
「うぃーっス」