大人だって甘いものが好き










「土方さんどうせ暇じゃないですかィ」
「うるせえ俺は忙しいんだよ」
「そんなの山崎に任せればいいんでさァ」
「お前な・・・」
「なんでィ折角夏祭りあるのに」
「ガキいってんじゃねえよ」
「もういいでさァ土方さんには頼みませんよ」
「ったく何意地けてんだよ」
夏祭りが何だってんだ

「ばーかばーか死ねばーか」
「お前途中で何か言ったろ」
「もういいでさァ」
もうすぐ日が沈む、夏の西日はやけに明るい
あ、何か句が出来そうな気が

カーンカーン

「まさか・・」






カーン
 
「死ねー土方死ねー」
 

「お前いい加減にしろよ!!行けばいいんだろうがよ!」
 
「マジですかィ土方さん、俺ァ林檎あめ食いたいでさァ」
「自分で買え」
「あ、お好み焼きマヨネーズ大盛りもありますぜィ」
「マジでか」







で、結局ここにいる。
この前高杉の騒動があった分規模は小さいが
それでも、人は多い
「ったく、暑苦しいことこの上ねえな」
「なんだったら何人か切ってきやしょうかィ?」
「いやー、やっぱ祭りは人が多くねえとな」
「あ、ありやしたよ土方さんお好み焼きでさァ」
「よし、買って来い、マヨネーズ大盛りだぞ」
「リンゴ飴はとなりでさァ」
あんな砂糖の塊の何が美味いんだか。
砂糖つったらどっかの糖分馬鹿を思い出すな
「土方さん、買ってきやしたぜィ」
「お前これ、マヨネーズ少ねえよ」
「そうですかィ?俺にはマヨとお好み焼き7:3に見えますぜィ」
「馬鹿野郎、8:2が常識だ」
「まじですかィ」
「しっかし、屯所は大丈夫なんだろうな」
「近藤さんが今日は、いるそうですぜィ」
「あの人はすぐどっか行くからな」
「まあ、山崎を置いてきたから、少しはマシだろう」
「山崎なら、そこでミントンしてますぜィ」
「テメーはホントいい加減にしろよ!!」
「げ、副長。うわっそれ以上近寄んないでくださいよ。マヨが気持ち悪」
「いっつもいっつもミントンしやがって、オイ、総悟コイツ斬っていいぞ」
「え゛マジですか、ちょっと勘弁してください。沖田隊長!!」
「土方さん、そのままおさえててくだせィ」
充分踏み込み、思い切り刀を振り下ろした
「うわっ、アホか!!俺も殺す気だろっ」
「何言ってんですかィ、土方さんしか狙ってないでさァ!!」
「副長!俺用事思い出しました。失礼します!!」
「待てコラ山崎。いや、お前も待てコラ」
「大丈夫でさァ、墓にはマヨネーズも一緒に入れますぜィ」
「それあんま嬉しくねえからっ、オイリンゴ飴落ちるぞ」
「そんなヘマしやせんぜィ」
「わかったから、いい加減しろ!!」
「土方さん、リンゴ飴もう1個買ってくだせィ」
「わかったから、刀はしまえ」







「何がそんなに美味いんだ」
隣で、バキバキ言わしながら食ってる奴を見る
「お前、口真っ赤になってんぞ」
「そうですかィ」
疲れたな
「土方さんもどうですかィ?」
差し出された、リンゴ飴を見る
「そりゃ、ガキの食べもんだろうが」
「血の味がしやすぜィ」
「なっ」
「冗談でさァ」
一瞬総悟が口から血流してるように見えた;;
「お前が言うと冗談に聴こえねえな」
「まあ、食ってみなせィ」
ガゴッ
大して開いてない口にリンゴ飴をぶつけられた
「っ、お前は、ホントムカつくな」
「土方さん、血が出てるみたいでキモチワルイですぜィ」
「ホントの血だボケ!!」
「美味いですかィ?」
「血の味しかしねえよ」
「そうですかィ」
「ったく、いい加減しんどいな」
そういや、昔からこんなんだった気がする
「満足そうに食いやがって、」
「最近じゃあんまり食べられないですからねィ」