今だって、思った。
何の根拠も無いけど、でも、今が良いって思ったんだ。

学校同じ、クラスも同じ、つるむ連中も同じだから。
ぶっちゃけ、一日中顔合わせてる事になるけど、
それでも、やっぱ、ずっと二人でいるわけじゃないから。
なんて、我侭言いたくなる時もある。

だから今。


携帯のメモリから、発信のボタンを押す前に、
出ろっ祈って。ボタンを押した。
電話の音が3回鳴ったとこだった。
「はいっ!カズ様どうしたの!?」
「えっ、あ、いや」
あれだけ気合を入れておきながら、
いざ声を聞くと何も言葉は出なかった。
「どうかしたの?カズ様」
「いや、別にどうもしてないんだけど」
「?」
受話器越しでも伝わるような、不信感。
「いや、えっとさ。別に何も無いんだよ。ほんと」
「そうなんだ。」
あ、やばいかな。やっぱ用無いのに電話したら。
「ごめ・・」
「嬉しいよ」
「へ?」
「だって、用無いのにカズ様電話してくれたんでしょ?」
「うん、そう」
「だってさ、それってさ、何にも無いけど、喋ったりとかしかったって事でしょ」
「うん」
「嬉しいですv」
「そっか、へへ。」
何かちょい照れて。
結局何も会話らしいもんは出来なかったけど、
喋ってる時間より、無言の時間の方が長かったけど。
でも、凄い嬉しかった。
「カズ様。わたしもさ、用なくて電話しても良いかな・・とか」
「全然ok。」
「よかったv」
「おう、じゃ、エミリまた明日な」
「うん、おやすみなさいカズ様。」
「おやすみ」
ボタンを押した。
とりあえず、結構なため息が出た。
用なくても電話して欲しいっていわれたのが、凄い嬉しくて、
やっぱ頬が緩んだ。

やべぇ、マジ好きだ。