ずっと、
いつか、必ず追いついてやろう
必ず、勝つんだって、
いつも、そう思っていた
いつも




背中

昔と違うことがある 目の前には何もない 誰も居ない 一歩ずつ踏みしめるように歩く。 一歩ずつ、 さっきから、何度後ろを振り向かされることだろう。 いい加減、あきらめればいいのに 「はぁ、だから、隠れても無駄だといってるじゃないですか」 「・・うるさいっ」 「だいたい何でついてくるんですか?」 「お前に勝つためだ!」 クスクス 「な、何でわらうんだよ」   「いえ別に」 クックク   「なんなんだよ!」 どこかで聞いたセリフだ 「全く、」   昔の私もきっとこうだったんでしょうね ひたすら真っ直ぐ目のまえの背中だけを見て ただ必死に追いつくことだけ考えていた 歩みを止めれば追いつくでもなく、追い抜くでもなく 歩みを進めれば、また必死についてくる クスクス 狂もこんな気持ちだったのかな ねえ狂? 必死に追い掛けてくる それを背に受けて、 歩く 決して、歩みを止めることなく でも狂と私やっぱり違いますね 私はきっと、時人を一人置いて行くことは無いですよ この子は何をしても必ず着いてくるはずだから それ以外に、自分の居場所を見つけられないから そして、あの時の私みたいに ついていく事をあきらめたりしない それを止める者もいないから 「・・好きにしてください」 「‥フン//」