君が眠りに着くまでの




































「今日はこれを読んで、ってミサカはミサカは白雪姫の絵本をあなたに差し出してみたり」
「・・・何で俺が」
「一回くらい読んでくれてもいいじゃないってミサカはミサカは懲りずに今日もお願いしてみる」
「うるせェな、さっさと寝ろ」
「むー。今日もダメなのね、明日こそ読んでもらうんだからってミサカはミサカは意気込んでみる」
「だから、寝ろってンだろ」
「昔々あるところにってミサカはミサカは定番の語り口から読み進めてみたり」
「聞けよ、つーかどうせまた、途中で寝るンだろうが」
「今日は寝ないもんってミサカはミサカは憮然として言ってみる」
「毎回言ってンだろうが、一度でも最後まで読めたことありますかァ?」
「むー」
「・・・ったく」
そう言って、電気スタンドをミサカの絵本に向けてくれる
まだ、最後まで読めたことないけど、あなたはいつも最後まで聞いてくれるから、
だから今日も頑張って読むんだ
「何ニヤついてンだこら」
「いたぁって、みひゃかはみひゃかは抗議してひるけどあなたのひからに敵あなかったりぃ」
舌打ちと同時に、頬をひっぱる手が離れる
一息ついて、絵本を読み進める
「・・・ふぅ、昔々あるところに白雪姫というとても美しいお姫様がいました」
「・・・・・・」







「白雪姫はその林檎を食べてしまうのです、、」
「何だァ?」
「なんでもないってミサカはミサカは続きを読んでみる」
たまに、休憩して
たまに、あなたがちゃんと聞いてくれることを確認






いつも半分くらいまで読むと、目がしょぼしょぼしてきて、
何度も何度もうとうとする
その度に
「寝ンのか?」
「・・んーん、もうちょっと読めるもんってミサカはミサカは睡魔と闘ってみる」
「そォかよ・・」
このやり取りを何度か繰り返しているうちに、
段々目が霞んでいって、、







「そして、白雪、姫は、、、けっこん、し、き、に、、、」
ぽとっと絵本が少女の上に落ちる
「・・・やっと寝たか」
一方通行は欠伸をしながら絵本を取り上げる
残り数ページだった
「今日はおしかったなァ・・」

結局途中で寝るし
何が楽しいのかはいまいちわからねェ
けど、
いつもいつもやりきった顔で眠りやがって
両腕を掛け布団の中におさめてやる
「・・ぁよ・・・の・・・」
「あ?」
ゆっくりだが口を開けて、まだ読んでるつもりなんだろうが、
言葉になっていない
「ったく、もう寝ろって」
「・・ん・・・・・」
毎晩毎晩中途半端なおとぎ話聞かせやがって、
けどまあ、今日も
「・・・お疲れさん」
と電気スタンドを切った






続きはまた明日