Merry Marry



























繋いだ先が、
たまにスキップしたり
跳ねてみたりしながら、
並木道を行く




何がそんなに楽しくて
何がそんなに嬉しくて
何が温かくて
何が心地よくて
とか
なァ



後15分





思い出せる闇は全部
お前がすぐに差し込んで
七色に喚き散らすから
遠くても近くても
変わらずに平等に
声で、肌で
触れたり、握ったり、抱きしめたり

「んん?なんだかちょっと寒いかもってミサカはミサカは休憩を提案してみる」
「それ被ってろ」

打ち止めの上着に付いているフードをかぶせる

「おお〜このモフモフ温かーい」
「・・・」

こうしていれば、
俺が変わっていけば
お前が変わってしまっても
いつか
近づけるような
分かり合えるような
そういう何かを思ってみる

思い描くのはいつも空の向こう
思い出すのはいつも虹色

「これ持ってろ」
「なあにってミサカはミサカは手を伸ばしてみる」
繋いでないほうの手で、芳川に貰った使い捨てカイロを渡す
「おおーカイロが温かくなってるーってミサカはミサカ頬にあててみる」
「・・・」

雪は変わらず降ってる
傘で遮るほどではない


先とか未来とかそういうものに焦がれてみる
辿り着けるんじゃないかって

そうあってもいいんじゃないかって

息を吸って、吐いて
ただ傍で、隣で、生きて
一緒に、生きて、みようかって

それもいいんじゃないかって

本当は

「着いたかァ」
「まだ光って無いのねってミサカはミサカはソワソワしてみる」
「そこ座って待ってろ」
握っていた手を離そうとしたら、
離れずに引っ張られた
「あ?」
「一緒に行くーってミサカはミサカは提案してみる」
「・・・好きにしろ」

後5分

そんなものを望んでいたんじゃないかって

缶コーヒーとココアを買って
ベンチに座る

あと2分

「一方通行ってミサカはミサカは声をかけてみる」
「・・・ン?」

隣に当たり前のように居ていい
このまま未来も居ていい
お前がそう言うように
そしてそこに

「ずっと一緒ってミサカはミサカは何度も繰り返してみる」
「・・・へいへい」

俺も居ていい

そう教えられた
触れ方とか、手の握り方とか
光の国では普通のことを

頬に手を伸ばして確かめる
少し冷たい
「寒いか?」
「あなたの手の方が冷たいよってミサカはミサカは両手で握ってみる」
そうやって触れる言葉とか何もかもが
「温けェな」

雪が止んだ

「ま〜だかな〜ってミサカはミサカは両足をブランブランしてみる」
「後5秒だ」
「ん?」
「・・・・・・・・」
灯った
「わ〜ライトアップされたーってミサカはミサカは感動してみる」
「・・・」
「すっごーい」
「・・・おお」
こうやって、落ち着いて、
正面からまともに、
ライトアップされたクリスマスツリーを見たのなんて
勿論初めだった
「すっごいすっごーい、これはもうミサカネットワークに全力配信ってミサカはミサカはピピっと送信」
「きれ、い、だなァ」
言いかけた言葉
止めようとして言葉を
続けてみた
「うん、とっても綺麗ねってミサカはミサカは同意してみる」
ほら、やっぱりこれでいい

ずっと眺めていると、
光の残像が目に焼きつきそうだ

それから、一時眺めて
打ち止めがブレた写真を撮って

「帰るかァ」
「うん」

繋いだ先が、
たまにスキップしたり
跳ねてみたりしながら、
来た道を帰る

これが楽しくて
それが嬉しくて
あれが温かくて
どれが心地よくて
わかるようになった

途中のケーキ屋に寄る
黄泉川が予約したケーキと

「中身がすっごく気になるんだけどってミサカはミサカは正直に告げてみる」
「お楽しみってやつだろォ」
「ん〜」

シャンパンを受け取る

「それはなあに?ってミサカはミサカは聞いてみる」
「・・・ガキはこっちだ」
いつものカエル柄の小さいシャンメリーもついでに買う
「おおーゲコ太がサンタ仕様になってる〜」
「・・・」

店を出る
あとは家に帰るだけだ

「ミサカケーキ持ちたい」
「振り回して、原型留めてねェのか落ちだろォ」
「ちゃんと気をつけて持つもん」
「こっちにしろ」
さっきの小さいシャンメリーを差し出すす
「それじゃあ手がつなげないーってミサカはミサカは指摘してみる」
確かに、シャンパンとケーキで両手が埋まる
「・・・・振り回すなよ」
「任せてってミサカはミサカはクリスマスケーキを受け取るっ」

握る手はやっぱり温かい

数歩歩いて、立ち止まった
「一方通行?」
「・・どうせ帰って言う暇何かないだろォからな」
「どうしたの?」
打ち止めの目を真っ直ぐ見下ろす
「・・・・」
「・・・?」
「今も、これから先も・・・一番に想う」
「・・・」
「そう誓う」
「・・・・・それは、ミサカ?」
「・・ああ」
「・・・一番?」
「・・ああ」
「ずっと?」
「・・ああ、・・・・行くぞ」
「・・・」
歩き出そうとしたが、繋いだ手が動かない
「打ち止め?」
「・・こ、これはプロポーズでは?ってミサカはミサカは動揺を隠し切れないかも」
「・・・・・・・」
伺うような視線
ほんの少し、視線をはずして、言葉を捜したが
見つからず、取りあえず軽く頷いた
「・・あ、わ・・・・ミ、ミサ・・・」
「・・オイ」
「ミサカネットワークに送信ー全力で即時フルバックアップ!!」
「てめェ・・・」
「ミサカも誓うってミサカはミサカはあなたに抱きつきたい衝動を抑えつつ宣言する」
「・・・」
「いつだって絶対一番ってこのミサカが誓うっ」

まだくれるのか、こいつは
まだ、俺にくれるのか
「そォかよ」
「うん、約束ねってミサカはミサカは繋いだ手に少し力を込める」
「・・・」
答えるように少しだけ力を込めて握り返す
「帰るぞォ」
「うん」

どの店の前通っても
クリスマスソングやら鈴の音が鳴っている
「あ、ミサカは折角のプロポーズだから指輪が欲しかったかもってミサカはミサカは我侭を言ってみたり」
「10年早ェ、つか今買ったらすぐサイズ合わなくなるだろォが」
「・・そこまで考えてくれたなんて、ミサカってば愛されてるーってミサカはミサカは惚気てみたり〜」
「・・・」
いつもなら、デコピンでもして、悪態つけば、
このクソ甘ェ感覚を払拭できるのに
「これがラブラブなカップル像なのでは?ってミサカはミサカははしゃいでみる」
「・・・・」
あまりにもはしゃぐから
喜ぶから
だから

















繋いだ先が、
たまにスキップしたり
跳ねてみたり
鼻歌唄ったりしながら、
来た道を帰る

手を繋いで帰る

二人で帰る




二人で