waiting for side LastOrder


































ミサカは怖かった?
ミサカの伸ばしたこの手は、恐怖だった?
何度も殺した相手が
目の前に現れて
言葉を発して
それは
恐ろしいことだった?
本位ではなくて、意思でもなくて
それでもあなたの認識は
ずっと変わらず
大罪
だと言う





ずっと知ってた
ずっと見ていた
ずっと感じていた
ずっと
ずっと
暗い研究室の中
培養機の中
ずっと
ずっと

痛みや恐怖を
一つ一つ覚えて
攻撃のパターンや防ぎ方も
一つ一つ記憶して
一つ一つ共有して
戦う
絶対的な命令コード

その末路
繰り返し
絶たれる
検体から得る
死の概念
新たな痛み
新たな恐怖
そして
ほんのたまに触れる
他の
温もり
本来の目的には
何ら必要の無いデータ
少しずつ増える不要なロジック
思考
という意識
認識
言葉
会話
問いかけ
疑問
イレギュラー
それは何?
それは、どうして?
なぜ?
知りたい
検体
最強

記憶
共有
生命
存在
記憶
孤独?
停止コード
受信

「あ、れ?」

思考
疑問
生命
個体
存在
個人

「ミサカは・・・」

プロジェクトの中止
凍結
要員のリリース
検体
不要

「ミサカは?」

不要
成長プログラム停止
処分
廃棄

「ハイキ?」

処分対象リスト取得
検体コード検索
20001号
検体名
打ち止め
ステータス
未完成

「あ・・・・」

不明なコードを確認

これ、は、危険

培養機稼動システム停止
危険
ここは危険

外部へのルートを確認

ここは危険

「通常モードで覚醒します。」





高い高い天井だった
肌を通して触れたものは
全て冷たかった
初めてだけど
あの
共有した子猫の温度と比較して
ここは酷く冷たかった

ミサカは、未完成

「ここ、は、危険」

個体、認識、思考・・・

希望

知りたい

「ミサカは知りたい」

何を?

あの人

ずっと

「待ってる」

個人、孤独、一人、は、寂しい

「ミサカは、あの人とお話、したい」

少しずつ体に力をいれる
これが動くということ
共有した情報より軽いのは
このミサカの成長が途中で止まっているから?

ミサカは

誰も居ない研究所
言葉で音を発する

ここは危険

歩く

未完成

「ミサカはあの人に会いたい」

会いたい

ミサカはあの人とも共有したい

手を伸ばして、触れたい

あの人は拒絶するのだろうか
振り払うだろうか
それとも
恐怖するのだろうか

でも、触れることを許してくれるんじゃないか
って

希望に似た確信

だって、あの人はきっと・・・




「それでね、一週間近くはネットワークの情報やマニュアルを参考にしてたわけなのってミサカはミサカは事細かに説明してみる」
「・・・」
「って聞いてるの?ってミサカはミサカは確認をとるためあなたの顔を覗き込んでみる」
「・・・だからァ?」
「も〜つれないーってミサカはミサカはあなたに会うまでのことを説明してるんだけどー」
「だから、いきなり何だってンだよ」
「いきなりじゃないもん、今日はあなたに初めて会った記念日なんだからってミサカはミサカはカレンダーを指差してみる」
「つーか記念日ってのは祝う日だろォが、こっちは脳天ぶち抜かれかけて病院送り、祝うとこが有ったかァ?」

「む〜」
「お前だって碌な目にあってねェだろ」
「でも、あなたはミサカを助けてくれた、ミサカ達を守ってくれた」
「運良く生き延びただけだ、一万人殺してンだぞ、何の足しになる」
「生命を数で比較するの?だったら、あの日救われた世界の人口は・・ってミサカはミサカは計算してみる」
「あのなァ」
「ってゆーか、あなたはミサカ達が嫌悪を抱いてると思ってるでしょってミサカはミサカはビシッと指をさしてみる」
「当たり前だろォが」
「ちっがーう、ミサカ達は個を認識しているの、このミサカは個なのってミサカはミサカは自己主張するため両手を挙げてみる」
「ンな事はわかってンよ、そもそも妹達とお前は経緯が違うだろ」

「ん〜そう言う事じゃなくて、あなたを快く思わないミサカも勿論居るし、あなたと仲良くなりたいって思うミサカもいる」
「ンな、頭のネジ飛んだ奴が居ンのか?」
「う、かもしれないってミサカはミサカは付け加えてみる」
明らかにやれやれと言った顔で溜息をつく

「そもそも、ミサカ単体にはプライバシーの主張があるから無闇に介入したくないし、
あなたに会ったこと無いミサカ達の方が多いから確認はとれないけど
ってミサカはミサカはフォローするつもりが更なる追い討ちになっていないか心配しながら言うんだけど」
「・・・」
「でも、もしかしたらあなたに惹かれるミサカだっているかもしれないってミサカはミサカは・・・ん?」
「?」
「こ、これは由々しき問題かも、こんな所にもミサカの敵が・・・ってミサカはミサカは驚愕を露にしてみたり」
「オイ、何言ってンだ?」
「あなたに惹かれるのは構わないけど、そこでこのミサカに抗うミサカ居るかもってミサカはミサカは下克上なんて断固許さないんだからって憮然としてみる」
「何の話だ」
「は、今ミサカはちょっと意識がそれしまったかも、ってミサカはミサカは何を言いたかったのか混乱してきたんだけど、
要約するとこのミサカはあなたとずっと一緒に居たいのだーってミサカはミサカは叫んでみる」
「うるせェ、つか要約になってねェ」
「もう、ミサカの大告白を一蹴するなんて、ってミサカミサカはいじけてみる」
「・・・」
そっぽ向いたまま



「でもね、そーっとミサカはミサカはあなたの手を握ってみる」
「なんだァ?」


ほら
あなたは、振り払ったりしない


「ミサカがあなたに会うまで、もう一つの希望に似た確信があったのってミサカはミサカは続けてみる」
「何だよ」



「それはね」
「・・・」




「ふふふ、やはりミサカの判断に間違いはなかったのだってミサカはミサカは自画自賛してみる」
「何にやけてンだコラ」



それはね
あなたはきっと
誰よりも優しい
って

「ねー」
「・・・・ン」



顔を背けても
言葉が拒絶しても
この手を振り払ったりしないでしょ?ってミサカはミサカは心の中で呟いてみたり