I think

































手に入れた平穏
一秒
一分
一時間
一日

かみ締めるように
鮮やかに
過ぎていく
そして、考える
これから先のこと








「ミサカお腹すいたー」
「ミサカもお腹すいたーってミサカはミサカは右に同じ」
「・・だから、今帰ってンだろ」
「あ、何これ?」
「あーっ今日7個の日だーってミサカはミサカはアイス7個のお得デーを思い出してみたり」
「・・・」
「へ〜ミサカこれ食べたこと無〜い」
「ミサカも食べたいってミサカはミサカは飛び跳ねてみたり」
「ねェよ、つか番外個体はさっき食っただォが」
「けち臭いこと言ってんなよ、第一位vv」
「ずるいーミサカも食べたいーってミサカはミサカはあなたを引っ張ってみる」
「・・・めんどくせェ」
これ以上騒がれる前に
店に入った
新味がどうとか、カップかコーンかとか
くだらねェ言い合いの果て
打ち止めと番外個体がっつきながら食べていた
ただの
平穏な光景だった
「一方通行にも上げるってミサカはミサカは恋人っぽくあ〜んってしてみたり」
「第一位ってばいつもこんなことしてんの?超きも〜い」
「いいから食ってろ」
「ん〜、じゃあ、これ上げるってミサカはミサカは差し出してみたり」
「・・どォも」
オマケのワッフルを受け取る
「ミサカに気を使わなくてもいいのに〜」
と、あからさまにニヤニヤしながら番外個体が言う
ワッフルを食べながら
思考は結局元に戻る
さっきからずっと考えている
これからのこと




「ミサカちょっとトイレ〜」
「いってらっしゃ〜いってミサカはミサカは手を振りつつもも最後の一口から意識を逸らせなかったり」
「・・・・」
「ご馳走様でしたってミサカはミサカはお行儀良く手を合わせてみたり」
「・・・・」
「?」
「・・・・」
「あ・・」
「・・・」
「たーだいまっ」
「・・・・ン、行くか」
「・・うん」
返事がいつもより遅い
声がさっきより小さい
あとは、表情が
しゃがんで覗き込む
「・・・どうした?」
「・・な、に?」
「冷えたのか?」
「・・ぁ、えと・・・大丈夫、ちょっと、ぼーっとしてただけってミサカはミサカは説明してみる」
「ン?」
歯切れが悪い
「お姉ちゃん?」
番外個体もしゃがむ
「・・・・何でもないよってミサカはミサカは苦笑いしてみる」
「ん〜・・・・えいっ」
「わっ」
「っ、何だァ?」
番外個体は急に打ち止めの背を押した
「お姉ちゃんってば甘えたいんでしょ〜?」
「え、、違うもんってミサカはミサカは姉としての威厳を保つためやせ我慢してみる」
「・・・」
「最終信号の口癖って難儀だよね〜」
バランスを崩して、しがみ付く手が震える
やせ我慢ねェ
手を背にまわして、宥める
「・・・ぅ、だって〜」
泣くかと思った
泣いてるのかと思った
「あ、やばっミサカトイレに忘れものした〜」
立ち上がろうとした番外個体の頭をポンと撫でた
「ちょ、っと・・・、行ってくるっ」
「・・・ああ」
それをはらうように、離れていく
「・・・・何で?ってミサカはミサカは尋ねてみる」
「さっきまでギャーギャー喚いたガキが急に静かになれば誰でも気付くだろ」
「だってだってー」
「あー、あー、やっぱうるせェ」
「ここはミサカの場所だもんってミサカはミサカは主張してみる」
「ハイハイ」
「浮気は許さないんだからってミサカはミサカは付け加えてみる」
「ねェよ、なんだ浮気って、どこから情報とってくンだよ」
「それから、」
「まァだあンのか?」
「さっきからずっと考え事してるのは、ミサカは置いてかれちゃうのかなってミサカはミサカは尋ねてみる」
「・・・・」
「あなたが選ぶことだから、あなたはミサカやミサカ達のこと考えてくれてるのミサカはわかってるからってミサカはミサカはちょっと強がってみる」
「・・・・」
「でも、やっぱり寂しいよってミサカはミサカは弱音を吐いてみる」
「・・・ああ、わかってンよ」
「ん〜ってミサカはミサカはあなたに思いっきりしがみ付いてみる」
どこに居たって
この温もりを思い出す
どんなに離れたって
必ずお前を思い出す



それから数秒、数十秒動かない



「うん。落ち着いたってミサカはミサカは報告してみる」
「そォかよ」
やっと離れた
「番外個体まだかな?」
「貸せ、手」
「ん?」
打ち止めの握り慣れた手を掴む
「あ・・」




「た〜だいま、って何してんの親御さん?」
「うるせェ」
「ふふ〜てミサカはミサカは満面の笑みを浮かべてみる」
「ま、最終信号が嬉しそうで何より、ってかぶっちゃけその方がミサカも被害少ないんだよね〜」
「・・・・」
「しっかーし、ミサカのもう片手が空いているのだってミサカはミサカは番外個体の手を握ってみたり」
「ちょっと、何これ」
「クク」
「皆で帰ろうねってミサカはミサカはスキップしてみる」
そう言って笑いかける打ち止めを見て
番外個体の顔は面白い程歪んだ
きっと、俺も
ほんの少し前までは、似たような顔してたんだろう
「・・・変なの」
「両手が温かいってミサカはミサカは勢い良く振ってみたり」
「・・・・」




先のことを考える
これからのこと
自分のこと
打ち止めのこと
番外個体や妹達や
沢山のことも
含めて
考える
先のこと
今をかみ締めながら