ON/OFF





















ずっと考えてる顔をしてたから知っていた
なんとなくわかってた
だからミサカも気持ちの準備をしてた
どうか無事に帰って来ます様にって
ただいまって言ってくれます様にって。

ミサカも行きたいー
って少し駄々をこねたら
少し困ったような寂しい顔するから、
ミサカはビックリしてしまって。
そうしたら、すぐいつもの顔に戻ってしまった。

玄関で手を握った
「ちゃんと帰ってきてね」
「ああ」
「気をつけてね」
「ああ」
「お土産待ってるんだからね」
「わっかてる」
「怪我しないでね」
「ああ、気をつける」
「・・無理しちゃだめだだよ?」
「わかった」
「・・・いってらっしゃい」
「・・行ってくる」
ミサカが離すまで一方通行は手を離さないから、
一度ぎゅっと強く握って手を離した。
「行ってらっしゃいってミサカはミサカは元気よくお見送りしてみる」
「ああ、行ってくる」







「むふーってミサカはミサカは大きく溜息をついてみる」
お見送りしてから何度目かの溜息
どんどん遠くなっていく
電波がどんどん
もう空港かな
飛行機乗っちゃったかな
飛行機の速度にしては遅いから、まだ乗ってないかもってミサカはミサカは推理する
「・・・」
携帯を見る
着いたら連絡してくれるかも
「むー・・・・」
がらんとしたリビングを眺める
番外個体もいなくて、急に静かになっちゃったなぁ

カチッ

「ん?」

カチッ

「あ、れ?電波が」

カチッ

一方通行に繋がる電極のスイッチが、ゆっくりとオンとオフを繰り返す

カチッ

「・・・一方通行?」
4回繰り返して、またOFFに戻った




「うん。いってらっしゃいってミサカはミサカはネットワークに呟いてみる」