how to


































どうしようか
この手はいつも迷う
どう伝えようか
言葉はいつも躊躇う



「っ、うぇ・・・」
「・・・」
寝ぼけてぶつけだ額が赤く腫れている
手を伸ばそうにも
接し方がわからない
どんなに遡っても
碌な記憶がないから
触れ方がわかならない
いつも反射して
拒み続けてきたから
唯一反射できない言葉すら
今はもう癖みたいに自己反射してしまうから





打ち止めは痛い、痛いと泣く
痛いって何だ?
泣くって何だ?
涙ってどんな時に出るんだ?
なあ
結局言葉も手を触れられないまま
立ち尽くしていたら
打ち止めが手を引く
「痛いよ」
「・・・」
そうだな
痛いんだったな
怪我すると痛いんだよな
しゃがむだけで、関節が軋む気がした
「大丈夫か?」
「おでこ、痛い、よー」
小さく首を振る
「ったく、何か冷やす物持ってきてやるから」
「・・う」
「じっとしてろ」
「うん」


怖い、助けてってしがみつくから
そんな小さな手が
お前が
まだ、ここに居る意味を作るから
最低だと思いながら
本当は
安心するんだ


「そこ転がれ」
ソファに仰向けにさせて
濡らしたタオルを額に乗せる
「ぃ、」
「そのまましてろ」
「うん」
いつもの口癖もこういう時は出てこない
それだけ、今いっぱいなんだろ
「きったねェな」
「だって〜」
涙と鼻水と汗か
なんだかよくわからない液体で
ぐしゃぐしゃになった顔を拭う
「・・・」
「んんー」
「もう泣き止めよ、顔きたねェ」
「痛いのー」
「だから冷やしてンだろうが」
「あ、」
「あン?」
打ち止めは鼻を押さえる
「血」
「・・・」
「血が」
「おっまえなァ」
「・・・ごめんなさい」
これ以上怪我人に文句を言うわけにもいかず
「はあ、デコ抑えてろ」
「ん?」
打ち止めの体を起こして
少し下を向かせる
「・・・一方通行」
「泣き過ぎで逆上せたンだろ、すぐ止まる」
「ん」
鼻にタオルを当てる
「ちょっと苦しいかも」
「ン、息できるか?」
「うん、できる」
「止まるまでこのままだ」
「・・・うん」


打ち止めが呼吸する音だけ
静かに鳴る
「お前が喋らないと静かだなァ」
「お話、する?」
「今度は酸欠起こすぞ」
「そっか」
動けず、言葉も発せないのが退屈なんだろう
打ち止め足をパタパタさせる
「おい」
「暇なんだもん」
「・・だろうな」
「・・・」
退屈しのぎに
話してやれるような事は見つからない
「・・暇だ」
「うん」


適当な相槌を繰り返す
ちゃんと
上手くできてるだろうか


打ち止めが服の袖を掴む
「ン?」
「ふふ」
「・・・」

そう笑うなら、今日は良しとしよう



一つずつ

少しずつ繰り返す




君の触れ方、接し方