別にこのままでいい



































「ミサカはどんな大人になるのかなー?」
「酒癖が悪くなる」
「ん?」
「のは勘弁しろよ」
「んん?」
「でかくなってもうるせェだろうなァ」
「むむっ一体あなたは何を言ってるのってミサカはミサカは尋ねてみる」

別に
一度だけ会ったことがある
たまたま、たちの悪い酔っ払いに
表情豊かなのは変わらないか

しっかし超電磁砲のクローンだ、なんて
言われてもピンと来ねえな

「んと、ちっせェな」
「も〜さっきから何か失礼かもってミサカはミサカは立腹してみる」
「事実だろォ」
「成長過程なの!!」
「あ?つか、そもそも成長すンのか?」
「・・・そ、それはミサカはも未確認事項なんだけどってミサカはミサカは遠くを見てみたり」
「はっ」
成長止めてて、しかも培養機から出てるからな

「でもでも、妹達は環境の変化に適用して個々で成長が異なっているわけで、
だったら、何れこのミサカも大人になるというか、成長の可能性はあると思うってミサカはミサカは」
「あー、わかったわかった」
「全然聴く気ないぜちくしょーってミサカはミサカは投げやりに叫んでみる」
「うるせ」
「ちょっとした問いかけでこんなに白熱するなんてってミサカはミサカは正直驚いてたり」
「つーか、そんな騒ぐ程のことかよ」
「ミサカの将来性に関わる重要な事項なんだからってミサカはミサカはビシッと指摘してみる」
「はあ」
「ってゆーか、あなたがビックリするくらい美人で素敵なお姉さんになるかもってミサカはミサカは大きな夢を掲げてみる」
「あほか、そのスペックだと過程も結果も目に見えてンだよ」
超電磁砲、妹達、番外個体にあのババア
どれとったって碌なのになりゃしねえ


「も〜、さっきから意地悪ばっかりーってミサカはミサカはこの悔しさのぶつけ先がみつからないー」
「大して変わらねえだろうな」
「む、そういうあなたはどうなの?ってミサカはミサカは問いかけてみる」
「あ?」
「あなたはどんな大人になるの?ってミサカはミサカは・・・」
「なるようになる」
「そんな適当な答えは聞いてないのー」
「うっせェ」
「・・・ちょっとミサカ疲れてきちゃったかもってミサカはミサカは深呼吸」
「・・・」




大人とか将来とか
考えたこともなかった
今まで未来なんて、
クソつまらなねェ現実の延長でしか無かったから

「少しは真面目に答えてくれてもいいじゃないってミサカはミサカはちょっといじけてみる」
「変わらねェよ」
「ん?」
「現状維持だァ」
「んん?」

最強であること
変わらず償うことこと
間違えても修正すること
うるせェクソガキの子守
どれ一つとったって
何も

変わらない


『一緒に居たい』と言ったあの時を思い出す
願掛けみたいに、ふと、何度も



結局自分は今
現状に不満が無い、ということ

「変わらない?」
「ああ」
「今と変わらないの?」
「つまらねェ回答で悪かったなァ」
「そんなことないよってミサカはミサカは答えてみる」
「・・・」
「じゃあ、ずっと一緒だねってミサカはミサカは確認してみる」
「面倒臭ェけどな」

小さな手が握る

握り返す

「それでも、ずっと一緒だよってミサカはミサカは、はにかんでみる」

今更離れるのも

「面倒臭ェからなァ」
「うん」








だから別に、このままでいい