有効活用論

































「ねえねえ、あの人はどうして親御さんなの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」
コーヒーを飲んでいた黄泉川と芳川は顔を見合わせる
「どこかの幼女に掛かりっきりで周りが見えていないからー?」
と少し毒入りに番外個体が返す
「その幼女はミサカをさしてるの?ってミサカはミサカは訝しげな視線を送ってみたり」
「んー、つーか幼女絡むとすぐやる気になるは事実だし?」

「・・・重ねてるんでしょう」
「因みに打ち止めだけじゃなく、あんたも入ってるじゃん番外個体」
「・・・はあ?」
「・・・・?」
「それに、妹達もよ」
と芳川が付け足す

「こういうのは桔梗に任せるじゃんよ」
「あら、子どもの相手をするのは教師の役目じゃないの?」
返された黄泉川は、任せた。と言わんばかりに
コーヒーを飲みつつ手をひらひらと振る
「職務放棄ね」
「万年働いてない奴に言われたくないじゃーん」
「あら、失礼ね」

「ミサカ達を置いて話を進めないでーってミサカはミサカは会話の軌道修正をはかってみる」
「ミサカも意味わかんないんだけどー?」
「あらあら」
「ほら、桔梗センセー」
やれやれと、軽く方を竦め話し出す

「決して第三者という立ち位置ではないけれど、
主観というわけでもない立場で言わせてもらうなら」
「うんうん」
「・・・・・」
「好意を向けて、素直に感情をぶつけてくれるなら、
見た目が子供である必要はないかったんじゃない?」
「ミサカがお姉様位に成長していたり、もしくは成人しいてもってこと?」
「ギャハ、第一位のロリコン疑惑をはらすってこと?」
「ふふ、だからあなたも入っているのよ」
「正確に言えば、私も芳川も入ってるわけさ。守るべき対象には」
「うんうん」
「何それ?きもい」
「そもそもの矛盾は番外個体も打ち止めも姉妹だってとこじゃんよ」
「それが何?」
相変わらず意味がわからない
という顔の番外個体に黄泉川が問いかける

「打ち止めの親御さん、は番外個体の?」
「親御さんってミサカはミサカは叫んでみたり」
「うげっ」
「ふふ」
「それはそれで面白いわけさ」
「気持ち悪すぎて吐きそうなんだけど」
「打ち止めはどう思う?」
「んー、ミサカがもう少し成長していたら、走ってあの人を止めたり、
抱きしめる背に手が届いたり、もっと安心させて上げられるのかなって、
もっと強ければ、攫われたりって、あの人の心配も減るのかなって思うよ。
でも、このミサカじゃないとできないこともあるから、
難しいところかもってミサカはミサカは考える」
「なるほど。
で、君はどう思うの?一方通行」


「げ、立ち聞きかよ」
「勝手に喋ってたのはお前らだろォが、聞かれくたなきゃ鍵でもしてろよ」
「芳川の問いかけに答えてないよって、ミサカはミサカは指摘してみる」
「・・・くだらねェ」
ソファに寝転がる
「ミサカはこのミサカだからできることがあるって思うんだけど、間違ってないかな?」
「・・・・」
「沈黙は肯定とみなすってミサカはミサカはお決まりのセリフを言いつつ、あなたの隣によいしょっと」
「オイ」
ソファの裏から上って、隙間に入る
「これはこのミサカだから出来ることなのってミサカはミサカを有効活用してみる」
「なんだァ?」
「ミサカもお昼ねしようかなーって上目遣いで可愛く訴えかけてみる」
「・・・勝手にしろ」
「うん、勝手にするねってミサカはミサカはおやすみなさーい」
「・・・」
打ち止めは一方通行の服を軽く掴み目を閉じる


「何アレつまんなーい」
「あなたも活用したら?」
「いーやーだー」
「悪態つくのもあんただからできることじゃん」
と番外個体の頭を撫でる
「・・・も、いいよそういうの」
居心地悪そうな顔があまり幼く
自称お姉さん達は顔見合わせて笑う



頬を押される感覚に目を開ける
「なあに?」
「別に」
「?」
「寝る」
「おやすみ?」
「ン・・・」