COME HOME












































「わっ」
「っ」
思いっきり一方通行が殴られて
体制を崩す間もなく黄泉川が抱きしめた
その腕の中にミサカも覆われる
「おかえり」
こんなに涙声の黄泉川は初めてかも
そして、
こんなに驚いて、でも苦しそうな顔をした一方通行も初めて

玄関には芳川も居て
いつも通り優しく微笑んでいて
ミサカも帰ってきたんだって安心してきて
「・・・・た、だい、ま」
決して大きな声ではなかったけど
ミサカと黄泉川と芳川にはきっと聞こえた
急にミサカも涙が出てきて
黄泉川の腕が強くなって
芳川がゆっくり
おかえりなさい
と言った
それを不思議そうに、でもなぜか確信していたように、
番外個体が見つめていた



ミサカもただいまがしたかったけど
涙がボロボロ落ちて、上手く息が出来なくて
声を出せなかった

気持ちがいっぱいになって
何か伝えたい筈なのに
どうしてか
黄泉川の腕の中で

動けない一方通行と

ゆっくりゆっくり


眠ってしまいそうだった