I Xxxx You.

































寝起きのような空間だった
はっきりとしない頭、意識。
まだ、眠っているような。
覚醒を脳が
中々受け入れない。

「あのね一方通行ミサカね」
「ぁ」
言葉になる前に口に手を当てられた。
その声音と表情が、先の言葉を物語っていた。
「勘違いだって笑う?ストックホルムなんて言われたらミサカ泣いちゃうからね」
いつものわざとらしい話し方をしない
頬を少し染め、涙が浮かんでいた
「あなたがどうしてもって言うならミサカは止めないよ
罪だって言うなら、償うことであなたが救われるのなら
それで構わないよ」
「・・・・・」
「ただね、
これは妹達の総意でも、単なる気の迷いでもないからね
ミサカの意思だから
気持ちだから
大事に受け止めてね」
「・・・・・」
「お願い」
「・・・っ・・」

声は出ない
手も伸ばせない
息苦しくて息苦しくて
息が
息が、できない

「・・・っ・・あ、このクソガキっ」
目が覚めて口元に思い切り打ち止めの手がのっていた
どうりで息苦しいわけだ

夢なんて久しぶりに見た

記憶の整理
ほんの少しの雑念でも
考えれば、意識すれば脳に影響があれば
整理の対象に
それは夢に出てくるのか
雑念の整理か

相変わらず間抜け顔で寝てやがる

断る理由も
手を離す意味も
今はもう持ち合わせてない
先は
まだわからない
触れる理由を見つけるかもしれない
離れる理由を見つけてしまうかもしれない
見つけたら
納得出来れば
答えられれば
いや、違う
これが雑念か

額に手を当てる
手の温度との違いに、少し落ち着く

最強の脳を、
妹達の代理演算を駆使しても
整理がつかない程
こんなに

当人は、起きる気配も無く、こちらの気も知らずに。

こんなに重症なのか、と

こんな夢を見たのも
記憶に混じってしまうのも
考えてしまうのも
今だってまだ
うまく整理がつかないのも
眠くて仕方が無いのも
全部
全部
お前のせい

ただ息をして
生きて
眠っている

君のせい