ほんの厄日

































3つのコップにそれぞれジュースが注がれている
コップの大きさはそれぞれ異なる
一番多いのは果たしてどれか
見た目で充分わかるレベルのそれを


「うーん」
「・・・」
「・・・」
「あっ」
これだと言わんばかりの勢いで
「もーらいっ」
「あ゛ー」
「っぱりな」

やると思った
一番多く注がれているであろうコップを手に取り
番外個体はドヤ顔で一気飲みする

「酷いよーミサカが選んだのにー」
「ぎゃは、早い者勝ちー」
「うっせーな」
二番目に多いであろうコップを手に取り、
打ち止めはあからさまにぶすくれる

そして余りをとる
「おら」
打ち止めのコップいっぱいになるよう、
自分のジュースを注ぐ
「わ、わ」
「親御さん贔屓しすぎー」
「元凶はお前だ」
「わー」
「・・・」
「いいの?」
「んな甘ったるいもん、飲んでられるか」
「ありがとう一方通行ってミサカはミサカはこのご恩は一生忘れませんってさっき見た時代劇を真似てみたり」
「大げさだろ」
「へへ」
「ぶーぶー」
「っていうか、番外個体の意地悪っぷりはどうなの?ってミサカはミサカは指摘してみたり。いい加減上下関係をはっきりさせるべきじゃないかなって思うんだけど」
「んっふふ、やってみー?」
「むっかーってミサカはミサカは今のはムカッときたんだからって、むきー」
「あー、も、ほんとお前らうるせぇ」
「つーか、さっきの戦績忘れちゃったのかなー?」
「決闘だーってミサカはミサカは」
「・・・・・・これ冷蔵庫にまだあったな」
「「!」」
バタバタとかドタドタとかそういう類の音を立てて、
ガキが二人走り出す
もう言葉にもならないような音が響き
黄泉川の拳骨で落着
するどころか、結局ゲームで対戦を始めた

「って」
「喧嘩両成敗ってね」
「はあ?」
後ろから拳骨を貰うが、思い当たる節が無い
「連帯責にーんじゃん」
「俺もあのガキ共と同等ってことか」
「そういうこと。物分りのいい弟じゃーん」
と、頭をこぬくりまわす
「うっぜ」
つか、
「あ゛ーっ」
ほらきた
「ミサカもするーってミサカはミサカは決闘なんてもう忘れたぜー」
「ちょっと、最終信号負けてるからってずるくない!?」
「おやおや」
「・・・・」
「っていうか、ミサカも混ぜてーってミサカはミサカは一方通行撫で撫での列に並んでみたり」
と黄泉川の後ろに並ぶ
「んな、くっだらねーことするか、くそ」
「やだミサカもするのーってミサカはミサカは駄々っ子してみたり」
「何それー超面白そう、第一位覚悟しな?」
「黄泉川っ」
「いやー仲のいい家族だねえ」
幾分か悪意の見える笑顔を放つ
「あ゛ー面倒くせえ」
「ミサカもミサカもってミサカはミサカは飛び跳ねて急かしてみたり」
「ミ・サ・カ・もー」

「今日も子ども達は元気ね」
「お、桔梗起きたじゃん?」
「失礼ね、朝からちゃんと起きてるわ。」
「知ってるって」
「コーヒー頂こうかしら」
「OKって、あ、しまった」
「ん?」
「豆切らしてたじゃん、てへへ」
「あらあら」
「・・・に」
「どうしたの?一方通行ってミサカはミサカは突然立ち上がったあなたに問いかけてみたり」
「?」
「コンビニ行くぞ」
「ミサカも行くーってミサカはミサカはお出かけポシェットを取りにダーッシュ」
「ぎゃっはミサカも行こっかなー。親御さん貸しにしてやんよ」
「じゃ、お願いするじゃん」
「お願いね」
「はあ」
やかましい


一難去ってもまた一難