ピースフル








































「・・はー」
シャワーを浴びてリビングに涼む

ソファには先約が居た
流石。ガキは昼寝か
「今眠ったみたいだから起こさないであげるじゃんよ」
「・・・」
溜息を一つ
別に起こしはしない

仕方なく、
テーブルを挟んだ向かい合わせに座る

髪から雫が落ちない程度に拭う
熟睡してんな
テーブルに肩肘ついて
暇つぶしがてら眺めていた

腹のあたりが規則的に上下して
クーラーの風で少し髪が揺れる
肌が、少し焼けたか
くそ暑いのによく暴れてっからなァ

不思議とたまに表情が変わり
口をもごもごさせる

決して暑くはない部屋で
何で汗かいてんだよ

偶に寝返りを打って
足を伸ばしたり
手を握りしめたり

寝てるときすら忙しない

唇が動くと
今にも喋りだしそうだ、と




「一方通行ー?」
「・・・・・」
「ご飯できたよ?ってミサカはミサカはひっそりとお知らせしてみたり」
「・・あ、あ」
寝てた
「おはよう」
「ん」
頭にかけていたタオルが落ちた
「あなた髪が少し跳ねてるよ?ってミサカはミサカは手を伸ばしてみたり」
「あー」
あのまま寝てたのか
適当に手で整える
「随分気持ちよさそうに眠ってたよってミサカはミサカは観察結果を述べてみたり」
「そォかよ」
「うん」


「上位固体も飽きないよねー、第一位が寝てるの見て何が面白いわけ?」
「で、その打ち止めずーっと眺めてたのはどこの誰じゃんよ」
「ミサカは別に上位固体見てたわけじゃ」
「はいはーいじゃん」
「むかつくー」
「剥れない剥れない、ほら食べるじゃんよ」
番外個体は思い切り頬を膨らませそっぽ向く
「平凡な日常が一番幸せだってね」
「また、意味わかんないし」
「ま、平和ってことじゃんよ」
「きもい、って」
「今日はえっびふっらいー♪ってミサカはミサカは歌ってみたり」
隣で一方通行小さく欠伸をする
「いっただーきまーすってミサカはミサカは手を合わせて食事の合図」
「ン」
「まーす」
「はい、どうぞ」
「超おいしいよってミサカはミサカは大絶賛してみたり」
「・・!・・」
「!!」
「そりゃどうもじゃん」

平凡で在り来たりな
何もない日