取捨選択








































「よいしょ、よいしょ」
「何してんだコラ」
ソファで仰向けになっている一方通行に昇る
顔と顔が近づいて、じーっと見つめる
「構って欲しいのってミサカはミサカはあなたの服を掴みながら言ってみる」
「ああ?」
「あなたと遊びたいのってミサカはミサカは再度繰り返してみる」
「・・・」
ほら、また
どうしてって顔をする
なんでって難しい顔をする
簡単なことだよ
だってね、
じゃあ、どうしてあなたはミサカを守ってくれるの?
どうしてミサカを助けてくれるの?
ミサカを心配してくれるの?
って聞いたら、あなたは答えられる?

全部同じだよ
あなたのどうして?も、ミサカのどうして?も
きっと同じ気持ちだよ
でも多分ネットワークでも、あたなの演算でも
捜せないかもしれないね

「むー、あなたの回答待ちなんだけどーってミサカはミサカは膨れてみる」
その間もずっとあなたを見てる
段々迷いだして、なんで?がどうしようって顔になるの
だからつられてミサカも困った顔
一緒だよね?
でも、ミサカはあなたを困らせたいわけじゃないから、
だから、
今日は一人でトランプかなって
ゆっくりと下りていくと
首の後ろあたり、服を引っ張られる
「オイ」
「おおっミサカを構う気になったのね?ってミサカはミサカは喜んでみたり」
「今日は機嫌が良いからな、スピードなら付き合ってやる」
「その選択は大人気ないかもってミサカはミサカは口を尖らせて抗議して見る」
「気が変わる前に配れよ」
「むむ、しかーし、今日のミサカには秘策があるのだってミサカはミサカは仁王立ちしてみる」
「なんだ?」
「勝つ毎に場札を1枚ずつ減らすなんてどうでしょう?ってミサカはミサカは提案してみる」
「・・・」
「場札が1枚で勝ったら終わりね」
「ふーん」

対黄泉川戦で編み出したこの秘策で、今日こそは一方通行に勝つのだ
「せーのっ」
パシっベシっバチっと勢い良くカードはたいて、
重ねて
「これ追加ルールの意味あんのか?」
「黄泉川とやったときはコレで勝てたのにー、
ってゆーか、あなたの引きの強さにドン引きなんだけどってミサカはミサカはうろたえてみる」
「んー、そうだなあ。お前の敗因は都度場札を見直すこと、相手の場札を見ないこと、
細かいこた他にもあるが、その2つが問題だな」
「ほお、なるほど」
「瞬間的な判断は悪くねえし、あとは相手を叩く位の度胸じゃねえの?」
「一方通行はミサカの叩く気でやってたのねってミサカはミサカはちょっと悲しんでみたり」
「つーことで、」
「わ、わ、」
「あがり」
「ええー」
「はい終了、寝る」
「はやっ」
「・・・」
「んーでも今日はいっぱい遊んでもらったから、満足かもってミサカはミサカは」
「お前勝敗はどうでもよくなってんな」
「なにおうっ次は番外通行を倒すのだーってミサカはミサカは勢いよく立ち上がってみたり」
「おーおー」
それはもうやかましい勢いで、リビングを出て行った
「テーブル片付けるじゃん」
「あ?」
「今から夕飯だよ」
テーブルを見ると先ほどまでのトランプが神経衰弱並みに散乱していた
「あのガキ、なんで撒き散らしてんだよくそ」
「まあまあ」
「何で俺が・・・」
そう言っても黄泉川は聞いちゃいない

テーブル外にも散らばったカードを拾って
いつの間に作ったのか折鶴とか、
よくわかんねえゴミみたいなもんとかを集めながら
「どーすんだよこれ」
けど、それをゴミ箱に入れていいのか
どうやたって、不恰好な何かとか、
明らかに失敗しただろう何かの行き先を判断ができずに、
結局どれも、遊び道具まみれの箱つっこんだ。
空っぽの中埋まるのは判断のつかないものばかり、
日々重くなっていくのに、
捨てないで、と言われたらやっぱり抱えてしまうんだ。