きっと優しくない
























「・・ただいま」
「自分の部屋にまた独り言かよ」
「ジュダルちゃん、どうして」
「んっと一人遊び好きだな」
「好きじゃないわよぉ」
「この前だって、部屋服まみれにして遊んでただろ」
「見てたの?」
「見てた」
「声かけてくれればいいのにぃ」
ベッドに寝転がったまま話していると
紅玉が隣に座る

「・・・・」
「ジュダルちゃんは優しくないわっ」
「・・はあ?」
「優しくないっ」
とりあえず起き上がる
「はあ、で?」
「どうしていっつも意地悪するの?」
「暇だから」
「酷い」
「つーか突然なんだよ」
「・・だってぇ」
「ん?どうせまた何かあったんだろ」
「う、あのね」
「うん」
「今日もダメだったの」
「何が」
「声をかけてみたんだけど、皆距離を置いて話すの。
私が何か言うたびに、そうですね、姫様の言うとおりです。って」
「そりゃあババアも一応皇族だからな」
「でも、皆は楽しくおしゃべりしてるのよ。私だけいっつも」
「んなもん諦めればいいのに」
「だって仲良くなりたい、お友達が欲しいんだもの」
下女が皇族の友達なんか、なれるわけない
「ふーん」
「聞いてよぉ」
「聞いてる」
母親が遊女だから、兄弟とも一線を引かれる
そんなもん仕方ない
今更
それでも、両手は強くシーツを握る
「・・・」
「紅玉」
「な、いたいよぉ」
頬を引っ張る
「ぶっは、やべえ餅みてえ」
「やめてー」
「お前さあ、皇族してる時はちゃんとしてんのに、他ダメだよな」
「もう、もうっ」
「別にいんじゃねえの?面倒事は兄貴達に任せとけよ。女でここまでやってのお前だけじゃん」
「でも姉様達は」
「それとも他の姉妹みたいに政治結婚したかったのかよ」
「それは」
「上手いこと失敗したんだし、いいんじゃねえの」
「でも白瑛はもっとうまく出来るはずよ」
「・・・飽きた」
今日もキリがねえ
紅玉の頭を掴む
「え」
「俺はお前に才能あると思ったから選んだんだけど」
「私」
「出来ねえの?」
「・・出来る、私、ちゃんとする」
「ん、俺は寝る」
そう言って、ベッドに横になる
「もう、ジュダルちゃん」
「俺昼寝しに来たんだった」
「そうなの?じゃあ私もそうする」
紅玉が横になると
果物の香りがする
「また果物浮かべて風呂入ったのか」
「うん、いい香りでしょ?」
「んー、普通」
「もー」
紅玉が膨れるのを見てから、目を瞑る
別にそのままでいいのに