門の前でカガリに貰った身分証明書のカードをみせると門が開いた。 「中に案内の者が居りますので、客間で少々お待ちください、キラ様。」 「ありがとうございます。」 車できたのは初めてで、相変わらず中は広いし、 案内してもらわないと迷うだろうなあ、なんて思いながら。 「こちらでお待ちください。会議が終りましたら、カガリ様が参られますので。」 「わかりました。」 「それでは私はこれで。係の者にお飲み物を持ってこさせます。 何かございましたらそちらにお願い致します。」 「お構いなく」 コーヒーを頂いてから、半分位飲み干した所で静かだった客間に向かって不似合いな足音がした。 その音はドアの前で止まり、そして勢いよくドアを開いた。 「キラっ!!」 「お疲れ様、カガリv」 「すまない、役員との挨拶が長引いてしまって」 「大丈夫。そんなに待ってないから。こっちこそ忙しいのにごめんね。」 今日はカガリの誕生日だ。国家元首であるカガリを国が祝わない訳ない。 それでも、カガリのことだから早めに切り上げてきたのだろう。 「いや、それはいいんだ。それでどうしたんだ?」 「カガリこの後何かある?」 「いや、何もないぞ」 「よかったvじゃあ行こうか」 「出掛けるのか?」 「あのね、僕たちの住んでる所に行くんだけど。 もしかしたら、お祝いしてくれるんじゃないかな?」 「え、誕生日のか?」 「うんv」 「ほんとか!?楽しみだな!!」 「うんvvさっきミリアリアから電話あったし、 ね、カガリドレスとか着なくていいの?」 「苦手なんだって、知ってるだろ?それに、さっきもずっと来てたんだぞ!」 「んーでも、折角主役だし。いーんじゃない?ドレス似合うんだし」 「ほんとか〜?キラはどうするんだ?」 苦笑しながら言う。 「え?このままいくよ」 「何だよそれ」 呆れた。自分はいいのかよ。全く。 「えーv」 「キラは何でも似合うからな。」 「そんなことないよ、カガリだって穏やかな色凄く似合うし」 「どうせ派手なものは似合わないよ、」 「でもバルトフェルドさんが板についてるっていってよね。 緑のドレス着てたとき、」 「あれはカウントされないだろ」 「そーなの?」 「まあいいや、取りあえず着替えてくる。穏やかな服に!」 穏やかにを強調して嫌みを言ったのに。 「うん、その間にコーヒー飲んどくよ」 本人は全く気付いちゃいない。 多分カガリの着替は女の人のなかでは、大分早い方だと思う。 実際僕と大して変わらない早さだ。女の人は物凄く時間がかかるイメージがある。 そんなこと考えていると、コーヒーを飲み終えた。そして 「準備できたぞ、」 「やっぱ早いよね」 「?」 「なんでもないよ。行こうか」 「ああ」 車の運転をアスランに習って、ドライブも出来るようになったけど。 人を乗せて運転するのは初めてだった。 アスランの車に今度は二人で乗り、丁度門を出たあたりで 思い出したようにカガリが言う。 「そういえば、キラって車の免許持ってたんだな」 「え、持ってないよ?」 「・・ぅえ゛!?」 「あははvv」 「あははじゃないだろう。」 あまりの驚きにカガリは訳が分からなくなっている。 「だって、車の運転はアスランに教えて貰ったし。 それに、これならすぐ免許取れるって言ってたよ?」 「けど、見つかったら大変だぞ!」 「大丈夫だよ、ぶつけたことも無いし、事故を起こしたこともないよ? それに、走るのはいつも海岸の通りだから、滅多に車は通らないし。」 「それでも、もしばれたらどうするんだよ!」 相手は国家元首だと言うのに、キラは悪びれもなく言う。 「だって、カガリが乗ってるし、姉弟だって大抵の人は知ってるでしょ?」 「そりゃあ、そうだけど」 「ね?」 「、、でも」 まだ何か言いたそうなカガリに。 「ちゃんと近い内に免許取りに行くよ。だから今日だけ。ね?」 「約束だぞっ」 「うんv」