それから、何分か経って。僕から話しかけた。
「ねえ、カガリ」
「なんだ?」
「まだ、怒ってる?」
苦笑いするキラを見て、ああ、こいつはまた
「大丈夫だ。キラは大抵のことは何でもこなすからな。
別に心配もしてない。ただ、危ないことはして欲しくないから。」
また、すぐ心配する。別に怒ってなんかいないのに、
「うん」
それだけで、落ち着く。
やっぱり、血の繋がっている感じ。この世に二人しかいない家族。
その存在だけで、こんなに安心できる。
「やっぱり、私が姉だな。」
そう、カガリが言った
「えーそうかな〜?」
「だって、お前すぐ泣くし」
「それは、言わないでよ。最近は泣いてないでしょ」
「う〜ん、確かに最近は泣いてないな、ちょっと前までいっつも泣いてたのに。」
「そんなに泣いてた?そうかな〜」
「だって、キラは兄って感じしないだろ?」
「聞かれても、、でも、最近はカガリの方が泣いてたでしょ」
「うっ、、でも、あれは」
「カウントされない?じゃあ、僕のもされないよね?」
「そっか、」
僕たちが泣き続けたのは、無力な自分への悔しさと終わらない戦争への不安。


「まあ、いいや。どっちでも」
「いいんだ(笑)」
カガリが言ったんだけど、


それから、また少し間があって。
そして、また僕から会話を切り出した。
「まだ、忙しそうだね?」
「ん?うん。そうだな」
「焦ってる?」
「いや、どうだろう?焦ってるかもしれないな。
未だに自分が何をすべきなのかハッキリとは解らないから。」
何をすべきか。それは、僕も考えていた。
戦って、守って、少し休んだらまた戦う。
今が、どんな時間で、いつまた戦争が起こるか解らない。
今度は、命を落とすこともあるかもしれない。
そんなこと、沢山考えながら時間が過ぎて、一日が過ぎていく。
「僕も、ずっと考えてる何をしなきゃいけないのか。
でも、何年も考えてるのにまだわからない。」

家が見えてきた。

「なあ、キラ」
「なに?」

「やらなきゃならいない事は沢山あるけど、
でも、多分全部が出来るわけじゃないんだ。
沢山有る事も知ってるし、全部出来ないことも知ってるはずだ。
それでも、出来るだけ多くのことをするなら、
何があるのかをまず知るべきだと思う。
何があるか解らないから、何をしたらいいのか解らない。
少しずつで良いんだ。
せかされても、叱られても少しずつやればいいんだ。
きっと、誰かが大丈夫だっていってくれる。
落ち込んでも、出来なくても、また少しずつやればいい。
誰も、責めちゃいないんだ。」

そこまでカガリは一気に言った時、家についた。
車を降りて、
「少しずつか。うん、僕もそうしてみようかな。
もしカガリが疲れたときは、僕が大丈夫って言ってあげる。」

「ああ」
「よし、じゃあ行こうか。」

「キラっ」

袖を捕まれた。

「何?」

「大丈夫だからな。 お前、大丈夫だから。 な?」
その声はとても優しくて、居心地良くて

−よしよし、大丈夫大丈夫だ。お前。大丈夫だよ−
そう、あの時のように酷く安心する。

「カガリ、、、カガリも大丈夫だよv」

二人なら大丈夫。

「行こう」

「ああ」


ドアをあけたら

「「「「「「「「「誕生日おめでとう」」」」」」」」」

二人は顔を合わせにっこり笑い

「「ありがとう!!」」



祝おう
生まれてきたことを、まだ、一緒にいられることを、そこに誰かが居てくれることを
祝おう。
大事な人を