「あれ?カガリどこいったんだろう・・」
さっきまでそこに居たのに。
「どうなさったんですか?」
「カガリが居なくなっちゃった。」
「まあ、もうすぐ波が満ちますし、大丈夫でしょうか?」
「僕ちょっと、探してくるね」
「はい、お気をつけて。」



「どこ行っちゃったんだろう?」
この辺は、人があまり来る所じゃないし、
それに、もうすぐ日も落ちる。
心配だな。












「やっぱり涼しいな、日もだいぶ下がってきたし」
丁度すわり心地のいい、岩を見つけて、
そこから、海を見ていた。
「夕日はきっと綺麗だろうなー」

「ん?」
足に何か冷たい感触があたった
「あ、うわっ」
波が満ちてきたのだ。
「こんなとこまで、波が来るなんて。やばいっここ出ないと」
そう思って洞窟から出ようとしたが、
数歩歩いただけで、ひざの高さまで水が来る、
このまま泳いでいこうか、それとも、波が引くのをまとうか
そんなことを考えていたら、太ももの近くまで水が上がってきた。
「・・っ」
仕方なく、洞窟の奥に戻ることにした。
「最悪だ。」
座る所もないし、冷風で濡れた足や服が冷える。







「あっ日が沈む」
夕日が丁度洞窟に入る。
洞窟の中がキラキラして、凄く綺麗だ。
不思議と恐怖感はなかった。






ここから、外は見えない、
日が沈んで暗いし、
それに、波が満ちて来る度奥に入ったから。
「ふ〜波が引くまでまとう。」
そういえば、無人島でも怖いと思うことはなかった。
人が居たからって訳でもなくて、食べ物があったからでもない。
「なんでだろう?」
なんでかな?




声が聞こえた。
「あっ」

「・・カガリ!・・カガリー!!」
「キラっ」
「カガリ!?まさか、この中に居るの」
「キラ、すまない波が満ちてきてちょっと、出られなくなったんだっ」
「そこ動かないでね。」


波の音とは違う、水の音がする。

暗くて中はよく見えない、
目が少し慣れたとはいえ、人が居るかもわからない位だ。
「・・・カガリ?」
「キラっ泳いできたのか!?」
声のする方へかけよった。
「もう、カガリ・・心配させないでよ」
「・・・ごめん」
びしょびしょに濡れたキラに抱きしめられた。
「ほんとに・・吃驚したんだからっ」
「うん」
波に濡れたキラの体は熱かった
必死に探してくれたんだろう。
「・・暗くなっちゃうし、・・海で溺れたのかと思ったんだから。」
「うん、」
キラの声が耳にかかってくすぐったかったけど、
今は我慢した。
「・・カガリ」
「うん」
キラは肩で息をしていた。
「怪我してない?暗くてよくわからないけど、」
「大丈夫だ。」
多分キラが覗き込んでいるだろう。
よく見えないけど。
「よかったー」
「私よりお前の方がきつそうだぞ。大丈夫か?」
「ん・・・ちょっと疲れたかな」
「わっちょっとキラ」
キラがいきなり体重をかけてきた
その反動で、しりもちをついた。
「いった、、キラ?」
「ごめん、ちょっときついかも」
「もう、助けに来て倒れたら、意味ないだろっ」
「うん、ごめん」
「服を着たまま泳ぐから、」
倒れても、キラは腕を放さなかった。
「だって、急がないと、カガリ心配で」
「うん、わかってる」
「カガリ」
「ん?ちょっと、キラ・・んっ、」
唇じゃなくて、頬とか、首とか
よく、顔が見えないから色んな所にキスされる。
「キラってば、も・・やめっんん〜〜〜はぁっキラ!!」
「ん〜?」
「あっぅん、、、やぁ・・・・ぁ」
「はぁ、カガリ?」
「・・・」
「カガリ?」
「はぁ、はぁ・・・いき。が、、できなぃ」
「あははv」
「も、キラ・・怒るぞ」
「心配したんだよ?」
「わかった、って」
さっきまで、へばってたキラが妙に元気で腹ただしかった
キラに起こされて、私は立ち上がった、
「大丈夫?波引いたみたい。」
「え?ほんとだ」
「帰ろうか。」
「うん」
繋がれた手はそのまま引っ張られた。




月明かりで、海はまたキラキラしていた。