そうやって、ずっと許してくれるなら



初めから知っていたなら、
わかっていたなら、こうはならなかったのだろうか?

今考えても無駄なのは解ってるけど、
やっぱり考えてしまう。




あの時、出会わなければ。
追いかけなければ、って。



「キラ?どうした?」
「カガリ、おはよう」
「ああ、おはよう」
ベットの中で天井を見ながら、考え事をしていた。
隣のカガリは起き上がる気がないみたいだから、
もう少し、このままでいよう。

「眠い」
「うん、まだ5時だからね。」
「ん、」
「寝てていいよ?」
「・・うん」

髪をなでたり、頬に手を這わせたり、
そうしているうちに、また、どうでもよくなってしまう。
だって、もう出会ってしまったんだから。

「カガリ」
「んん、っあ」
「おやすみ」
「ん」



双子であったと知ったとき、正直驚いた。
だって、その時は既に遅かったんだ。

不安そうなカガリの顔を見るのが辛くて、
全然大丈夫なんかじゃないのに、
大丈夫だとか言ってみたり。

わかってても、繋がることをやめなかったり。

ドロドロした自分がイヤになることもあるけど。
それでも、今更どうしようもないと勝手に終わらせる。


「僕も少し眠ろう。」

























髪を撫でられる感覚と、
温かい感触に、
ゆっくり目を覚ました。

「おはよう、キラ」
「、おはよう」
逢ったときからそうだった。
僕が不安なときは、いつもカガリが抱きしめてくれる。
話を聞いてくれる。
僕という存在を否定しないでくれる。



「カガリ」
「何だ?」
「後悔したことある?」
「あるな」
「その時どうするの?」
「忘れる。」
「何それ、」
吹き出してしまった。
カガリも笑いながら言う。
「だって、仕方ないだろ、終わったことなら。」
「そうだけど。」
「なら、今度もっと努力して、後悔しなくて良いようにするんだよ」
「うん」
「キラはばかだからな」
「うわ、ひどい」
「だって、後悔しないやつなんていないぞ」
「・・」
「それでも、皆前に進んでいくんだ」
「試練だね」
「ああ、越えないといけないんだ」
「うん」
抱きしめる腕に力をこめた。

「キラはホントに女みたいだよな、そんなことばっかり考えてるのか?」
「あ、カガリそれ差別だよ、そんなこといったら、カガリだって」
「何だよ」
「・・いいや、カガリは女の子だね」
「何だよそれ?」


カガリの身体に顔を埋めた
「キラ?くすぐったい」
「ずっと、一緒にいるからね。」
「当たり前だろ」
「うん」

当たり前だと言って貰った僕の方が安心しような気がする。





もっと、違う出会い方をしてれば、
何か変わったのかもとか、
そういうのはやめた。


今ここに居る、存在だけで十分だから。