「また明日。」 
それだけを告げて彼女は帰っていった。 
何時何処でまたなんだろう?其れよりも会うことが出来ると言うのだろうか。彼女はココニハイナイノニ。 
それとも、今ここで死ねば会うことが出来るだろうか。 
そんなの彼女は望まない。あれだけ死を恐れていた彼女が、そんなこと望むはずない。 
なら何時?何処で会える?どうすれば?   



 

The meaning, tomorrow.

波の音はしないけど、それでも流れていることはわかる。 ここだけ時間が止まったような、でも進んでいることもわかっている。 何もすることが無くて、何も考えることが無くて。気が付けば毎日同じ事を考えていた。 「シン」 だから、今日も同じだと思っていた。 「ルナ・・」 「久しぶりね、ホントはもっと早く来るつもりだったんだけど・・中々落ち着かなくて。色々考えてたらすぐ日にちたっちゃってさ。ごめんね。」  どれ位たっただろう?あれから、あの戦争から。  「半年位かな?メールとかはしてたのよ、ヨウランとかヴィーノとか、アスランは代表と一緒で忙しいみたいだけど。それでも皆元気よ。」 「そっか」 何もかもがやたら懐かしくて、やたら切ない。 「シンもさパソコンかったら?そしたら皆のアドレス教えてあげるから。・・・それに心配だし。ね?」 そういうと、ルナの顔が曇った。 「・・・うん、そうするよ」 「あ、じゃあさ、またアタシ来るからその時アドレス教えて?それでまた、皆で集まって沢山話そうよ。ね?みんなシンに会いたがってるから!」 会いたがってる、か。何か久しぶりだなほんと。 アカデミー卒業したばかりの頃は、軍を抜けてこんな所にいるなんて全然考えなかったな。 ミネルバに乗ることになって、インパルスの訓練して。あとは戦争のなんて起きなくて。ただ仲間と一緒に過ごす。 そんな日々を送るはずだった。 それに比べて今自分は世界にとってどんな存在なんだろう? 『独りでいるとね。いろんなことを考えるんだ。そこに答えはないけど、それでも僕は考え続けたよ。』 「シン?」 また独りで考え込んでいた。 「大丈夫?」 ここに人が来るなんて久し振りだから、会話が繋がらない。 「ごめん」 「ごめんって、アタシ大丈夫?ってきいたんだけど!」 ルナといるのは居心地がいい。 「もう本当に大丈夫なの?」br> 他愛もない話ほど楽しかった。 「じゃあ、そろそろ行くね。」 「うん」 「またね!」 「また?」 「なによ。また来ちゃいけないわけ?」 クスクス言いながら、ルナが歩いていく。 また・・・俺の心に響いた。それは必然。そして希望。 何時とか何処とかそんな事どうでもよかったんだ。また会いたい、そう思ってくれるだけで。 「ルナっ!」 背をむけて歩くルナに 「何ー?」 「また、今度。」 「うん。またね!」 そう告げるルナの顔は優しかった。 『沢山考えて沢山悩んで、そうすればきっと失ったものの大事さがわかるよ。奪ったものも奪われたものも』 ほんの少しだけわかった気がする。 明日の意味が それから数日たって何もなかったこの部屋にパソコンだけがきた ただ、それだけ