ずっとそこにいると思ってた
守るって言ったのに
 
  
  
  
  
  
  
  

アネモネ

  部屋の隅におかれたそれは、萎れて もとは鮮やかなはずなのに色さえにごっている   「あなたがわたしを守ってくれるの?」   くれたのは言葉じゃなくて証なのに そばにいないのなら意味がない   絶望の暗闇の中でもっともっと沈んでいく  それでも、そこにあるのなら   それは枯れて土色にかわり 自分も同じ用に沈む   今日もこない   そんな日が何度も続いた   でも、今日は違った。 脱走  逃げた   「くっ・・」     一頻りわらった後何時ものように部屋の隅を見た   ない   ない   ないっ   「そこのゴミなら棄てましたよ」   「棄てた」   同じように沈んで ゴミと呼ばれ そして棄てられる   何よそれ   「あなたがわたしを守ってくれるの?」   「ああ」   何よそれ 「さあ、アネモネお前の出番だ」   何でよ 「いい子だ」   もう何も見えない