さよなら

「あ、置いてきちゃったなー、コップの中」 「何を?」 「ドミニクが持ってきてくれた、あたしの華」 「アネモネ?」 「うん。」 「部屋に置いたままなの、」 「そっか」 なんか急に思い出した。 「よかった、まだ、あったんだね」 「ちゃんと、コップにお水入れて挿してたのよ」 「ありがとう」 「でも、忘れちゃった。」 「うん」 「ごめんね?」 「大丈夫だよ」 the-endをずっと、見上げていた。 二人で。 「the-endもごめんね」 ドミニクは髪を撫でてくれた。 「ありがとうっ」 海の反射を受けて真っ白な機体はとても綺麗だった 「さっきね」 「うん」 「the-endの目がね、すごくやさしく見えたの」 「うん」 「嬉しかった」 「うん」 真っ白な気体に触れた 「疲れた?ごめんね」 「ごめんね」 「the-endありがとう」