もし生きていてもいいと言われたなら

手鏡を一つ買って笑顔の練習をしたい







鏡・花・苺

  「ドミニク、これがいい」 「うん、わかった」 ピンク色の手鏡を手に取り、恐る恐る微笑んでみた。 「かっかわいいよ//」 照れながらドミニクが言った。 でも、それが無性にうれしかった。 「ありがとうv」 今こうして自分が笑うことを、 心の底から喜べる事が一番嬉しい。 ドミニクがそばに居てくれることが、本当に嬉しい。 買い物なんて、した事なかった でも、憧れてた。 楽しそうな声、嬉しそうな笑顔、繋ぐ手、隣に居てくれる人 「はい、アネモネ」 「ありがと。」 やっぱり楽しい。 お金は、まだないけどちゃんと働いて、 ドミニクにも何かプレゼントしなくちゃ 繋ぐ手、交わす言葉、きれいな空 楽しい。 「あ、」 レストランのショーウィンドウに、苺ののったパフェがあった。 「おいしそう。」 前の私なら、きっと何も言わずにレストランに入って、 さっさと食べてしまっただろう。 今は違う。 ドミニクの顔色を伺ってみた。 「いいよ。入ろうか」 「うんv」 ほら、ちゃんと我慢できるようになったでしょ? ドミニクのこと考えて、動けるようになったでしょ? でも、ドミニクは優しいから 結局なんでも許してくれるから。 まだ、甘えてるかもしれない。 「おいし〜」 「良かったね」 そう言う時の、ドミニクの目が好き。 優しい目、ちゃんとあたしのこと見てくれてる、 考えてくれてる目。 「大好きv」 「、えっ!?//」 クスクス 「ドミニクは?」 「、、好きだよ//」 「好きだけなの?」 「えっ、いやえっと、あ、愛してる//////」 「・・くっあははは、顔真っ赤っ」 「っ//////」 ほんとにおかしい、 だけど、きっと今あたしも照れてる はにかんでうまく笑えないから。 ドミニクは真っ赤な顔で、ずっと俯いてる でも、本当に自分を好いてくれてるのだと、 認識できるのは嬉しい。 好きだといってくれるドミニクは、 とても愛しいと思う。 パフェを全部食べ終えた。 まだ、ドミニクは俯いてる 「ドミニク?もう食べたんだけど、」 「ぇ、あ、わかった、出ようか」 また、笑いそうになるのをこらえて、 レストランを出た。 ドミニクはまだ照れてるみたいだけど でも、手は繋いでくれた。 ただ、のんびり歩いて、目に留まったお店に入って、 何をするのも楽しい。 そばに居てくれるだけで、きっと楽しい。 「ありがとね。」 「?」 このままずっと