お帰り2

「ホント綺麗な花」 心底嬉しそうな笑顔、なのに声には少し曇りがある。 「いい名前。」 でも、どうせ呼ぶのならあの人に呼んでほしい。 「あっガリバーどうしたの?」 急にガリバーが走り出した。 「ちょっとガリバー?」 車椅子の車輪を回し、ガリバーの後を追った。 何だか、ざわざわしてる。 皆どうかしたのかしら。 声がする。 「ミーシャのところ?」 「ミーシャ急いでっ」 「レントン?どうしたの」 ドアを開けると、そこには信じられない人が居た。 「エウレカ!?エウレカなの?」 「ミーシャ久しぶり」 ちょっと照れ笑いするエウレカを見て、 じんわりと涙が出てきた。 「ミーシャっ」 視線をレントンに移すと、レントンが担いでいる人は 「嘘でしょう!?ちょっとどうなってるの」 ミーシャが驚くのも無理はなかった。 「ドミニクが生きてるんだっ早く看て」 「わかったわ、そこのベットに寝かせて。」 「うん」 「外相は見当たらないわね、心音も安定してる。」 「皆が守ってくれたから。」 「エウレカ?」 「きっと、大丈夫。」 洞窟を出てからずっと、エウレカがそういってたけど。 でも、やっぱり心配になって、急いで連れてきた。 「眠っている?健康体よ」 「ほんとに?」 「よかった」 一安心だ。 「あっアネモネを呼ばないと」 「私も行く」 そのとき、開けっ放しのドアから、ガリバーが走ってきた。 「ガリバー、アネモネは?」 車椅子の音がした。 「・・エウレカ」 「アネモネっ、こっち」 「何?」 ゆっくりと車椅子を動かす。 「・・・っドミニク!ねえ、どうしたの?生きてるの!?」 「生きてるよ」 「怪我してるの?それとも病気?」 「大丈夫だよ、ねむってるだけだって。」 そうエウレカがいうと、アネモネの目にたまっていた涙が零れ落ちた。 「よかったぁ」 アネモネはドミニクの手を両手で握った。 「アネモネ、何かあったらすぐ呼んで頂戴」 「うん」 「行きましょう」 ミーシャはそう言い、俺とエウレカと外に出て、ドアを閉めた。 「しばらく、二人きりにね」 「うん」 「エウレカ、皆の所に行こう。」 「うんっ」