足がふらつく

視点が定まらない

服で傷が擦れる


ダルイ





ダルイ
 
  
  
  
「アタシはもっと辛かったわ」




「もっと痛かった」




「ねえドミニク、
あなたわからないでしょう?」
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
「タイプthe end帰投しました」
  
  
  
「痛い 痛い 全部 痛いよ」







「・・ドミニク」
「どうしたの?」
座ったまま見上げてくる。アネモネの腕が自分に伸びる



「ドミニク」
「ん?」
「痛い・・・」
ビクっと体が震えた


「痛かった」


「う・・・ん」

「あなたにはわからないでしょう?」

息ができない

服の袖の所を引っ張られた。
「あ、アネモネ」
「わからないわよね?」
 
  
  
  
  
  
  
  
  
上着は近くに投げすてられた
白い筈のシャツには赤黒い染み
洗っても落ちない、むしろ増えるだろう
 
  
  
  
  
  
  
腕や肩には何箇所も切傷がある



「ドミニクー」
「っぐ・・あ゛・・」

ケーキを切るためのナイフで傷をつける
肩、腕、腹、上半身の殆んどが血に染まる
「痛かった」

「凄く痛かった」

「こんなもんじゃないわ」
 
「・・い゛っあ゛・ぁ 」
 
昨日の傷の上をなぞり切る

「ア゛ネ・・・モネ」
肩から流れる血を舐めるアネモネは妖しい笑みを浮かべている

「ドミニク」
「・・・ん」
血の味とアネモネの甘い香り
 
また意識が遠くなる
 
  
「ドミニク」
「どうしたの?アネモネ」
「痛い」

「・・っ」